2012 Fiscal Year Research-status Report
妊娠子宮の収縮に対するプロゲステロン受容体の役割 ~陣痛発来機序の解明にむけて~
Project/Area Number |
24791728
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
藤田 太輔 大阪医科大学, 医学部, 助教 (90411371)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 陣痛発来 / 子宮収縮 / GPR30 / エストロゲン / プロゲステロン / 妊娠子宮 |
Research Abstract |
(背景と目的)プロゲステロンは妊娠の維持重要なホルモンであり、プロゲステロン受容体であるPR全体の発現減少と、PRのisoformであるPR-Bのfunctional progesterone withdrawが分娩、陣痛発来に関与している。しかし、タンパクレベルでの検討はあってもmRNAでは検討されていない。またプロゲステロンは妊娠維持に、エストロゲンは分娩、子宮収縮に作用していると考えらている。エストロゲン受容体の一つであるGPR30が子宮平滑筋にも発現しているが、GPR30の子宮収縮への関与について明らかでない。 (方法)今回、PR、GPR30の子宮収縮への関与、その役割についてヒト妊娠子宮筋を用いて検討した。 PRのisoformとしてのPR-Aは、PR-Bの抑制型である。帝王切開分娩となった32週未満の5例と32週以降の38例を対象とし、子宮体下部切開創から少量の子宮筋を採取、cDNAを精製したのち、PR-B、Total PR、GPR30、ER-αのmRNAの発現をreal timePCR法で定量し比較検討した。 (結果)PR-B,total PRともに32週以降の症例で有意に発現量の低下を認めた。又、32週以降の症例で、子宮収縮がある群で、両群ともに発現量の低下を認めた。次にGPR30を検討し、32週以降は有意に発現量の低下を認めた。又、GPR30 と妊娠維持に関与するPR-B、分娩に関与するER-αとのmRNA発現の相関関係をみたところ、PR-Bと正の相関、GPR-30と負の相関関係を示した。 (結論)子宮収縮メカニズムの一旦を担っているPR-B、TotalPRの減少は、mRNAレベルで制御されていた。GPR30とPR,ER-αの相関関係よりGPR30は妊娠維持に必要な受容体である可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年に計画していたヒト子宮筋を用いた検討を平成24年度に行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年と平成25年に計画していた子宮筋細胞株におけるPR isoformの役割の検討とPR-A強制発現により変化する遺伝子発現の変化をDNAマイクロアレイとプロモーターマイクロアレイによる遺伝子解析を進める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
子宮筋細胞株を用いた研究計画のため、次年度の研究費として約70万円を使用する予定である。
|