2012 Fiscal Year Research-status Report
POMGnT1欠損マウス網膜の増殖性変化におけるサイトカインの関与
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24791881
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
高橋 永幸 日本医科大学, 医学部, 助教 (10445801)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | POMGnT1 / VEGF |
Research Abstract |
POMGnT1欠損マウスは繁殖力が非常に弱く、ヘテロ同士の掛け合わせによってホモの個体を獲得するしかない(ヘテロの個体の表現型は野生型マウスと全く同一である)。ホモの出生率は自施設では100匹に1匹程度であり、出生後まもなく死亡する個体も少なくなかったため、まずホモの個体を獲得するのに苦慮した。 ホモの個体が4週齢となった時点で同週齢の野生型マウスとともに眼球を摘出し、組織用迅速固定液スーパーフィックス(KURABO)を用いて固定後パラフィン包埋し、マイクロトームで6ミクロンの切片を作成した。眼内における増殖組織の形成に関与する抗VEGF抗体、抗HGF抗体、抗PDGF抗体を一次抗体として反応させ、蛍光色素標識二次抗体を用いて免疫組織化学染色を行ったところ、いずれの抗体においても明らかな反応がみられなかった。そこで摘出眼球をOCTコンパウンド(サクラファインテックジャパン)に包埋し、無固定凍結切片を作成したのちに同一の抗体を用いて免疫組織化学染色を行ったところ、抗VEGF抗体に対する反応においてPOMGnT1欠損マウスの方が野生型マウスに比べて増強がみられた(現在統計解析中)。他の一次抗体においては、明らかな反応がみられないため、種々のクローンを用いて免疫染色を行っている。また固定法についても、無固定のほか酢酸/メタノールなどの固定法を用い、抗体と組み合わせて最適な条件を検索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
POMGnT1欠損マウスのホモの個体を獲得するのが困難であったこと、また免疫組織化学染色において最適な抗体および固定法の組み合わせの検索が必要であったため、研究計画よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ケージ数を増やしPOMGnT1欠損マウスの個体数を確保する。最適な一次抗体と固定法の組み合わせを検索し、HGF、PDGFなどの網膜の増殖性変化に関与するサイトカインに対する免疫組織化学染色を行い、POMGnT1欠損マウスにおけるこれらのサイトカインの発現を野生型と比較する。また眼球より硝子体および網膜組織を採取しRT-PCRおよびELISA法を用いてサイトカインの発現を定量的に評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
免疫組織化学染色に用いる種々の抗体、RT-PCRおよびELISA法に用いる試薬の購入、マウスの継代飼育に充てる。
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