2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24791955
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
松本 学 日本医科大学, 医学部, 助教 (30409213)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 脳低温療法 / 免疫機能 / 中枢神経障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
重症脳損傷患者の免疫機能について、脳低温療法施行中及び脳低温療法施行後に調査を行った。想定よりも高額検査が多く、対象と時期を限定する必要があった。重症脳損傷の原因疾患については、心肺停止後症候群による蘇生後脳症を対象とした。上記患者の内、蘇生後Glasgow Coma Scaleが8点以下の患者を対象として、脳低温療法を施行した。尚、対象症例を限定するために、循環動態が不安定であり脳低温療法完遂が困難と判断される症例は除外対象とした。脳低温療法施行29症例のうち、11症例が研究対象となった。 脳低温療法患者の免疫機能として、IL-2, IL-4, IL-10, IL-12, IFN-γ, TNF α, CD4/CD8, CD11b, Th1/Th2分画について調査を行った。血液マーカーのうち、IL-2, IL-4, IL-10, IL-12, TNF αについては、神経障害及び脳低温療法によると考えられる粗大な以上は認められず、急性期侵襲による反応のみが検出されていた。IFN-γにおいても殆どの症例で検出感度以下であり、明らかな免疫異常を指摘するのは困難であった。ただし、急性期CD11bについてはやや低下傾向を認めており、Natural Killer T cellの機能に障害が生じている可能性が示唆された。また、Th1/Th2比についても正常下限以下の症例が多く、免疫が細胞性免疫から液性免疫に移行していることが示唆されていた。 心肺停止蘇生後症候群における重症脳損傷患者では、脳低温療法中に免疫機能が液性免疫優位となっており、これが易感染性に関与している可能性があると考えられる。
|
Research Products
(1 results)