2012 Fiscal Year Research-status Report
TCH測定システムを顎関節症治療で用いた効果と習癖是正装置としての有効性の検討
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24792106
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小野 康寛 昭和大学, 歯学部, 助教 (70514876)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 顎関節症 / 上下歯列接触癖 / TCH |
Research Abstract |
本研究の目的は,顎関節症の原因因子であると考えられている上下歯列接触癖(TCH:Tooth Contacting Habit)の是正を,顎関節症患者において,我々が開発した簡便で正確なTCH測定システムを用いた群と、従来の認知行動療法による群の2群に分け両者の是正法の効果を比較し,また測定システムを用いたTCH是正法の有効性を検討することである. 現在までに昭和大学歯科病院顎関節症科に来院された10名の患者さんを被験者としてリクルートした.ランダムにTCH測定システム群5名、認知行動療法群5名の2群に振り分けた.両群とも研究開始3日間,治療介入前のTCHの割合を計測した.TCHの自覚の無い被験者においてもTCHの割合は20%をこえており,これまで患者の記憶に頼り質問票にてTCHの有無を抽出していた方法と比較するとTCH測定システムを用いた方法は格段に正確性の増した抽出方法といえる.計測項目として介入前後のTCHの割合と無痛最大開口量,疼痛発生時VASとした.現在までに研究を終了した6名(システム群4名,認知行動療法群2名)の結果の平均をみると,TCHの割合はシステム群が41%から11%,認知行動療法群が61%から35%へ減少し,無痛最大開口量はシステム群が28mmから40mm,認知行動療法群が24mmから30mmへ増量,疼痛発生時VASはシステム群が54から12,認知行動療法群が38から28へ減少した.いずれの測定項目においてもTCH測定システムをTCH是正に用いた群の方が認知行動療法群に比べて有意な結果が得られている.しかし,現在測定中の被験者を含めても10名であり,予定被験者数の20名までまだ到達していない.今年度も引き続き顎関節症外来において被験者をリクルートし研究を遂行していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被験者は昭和大学歯科病院顎関節症科へ来院された有痛性顎関節症患者をターゲットとしている.予備研究の結果から,被験者は一般人のため研究参加への同意がなかなか得られにくいことは予想出来ていた.24年度内に目標20名の半分を確保できたことはおおむね順調に進展しているといえる.測定に関しては特に問題はなく,今後も被験者獲得ができれば予定期間中に研究は終了できると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度と同様に、昭和大学歯科病院顎関節症外来において研究参加の同意を得た患者さんを被験者としてリクルートし,目標人数の20名を目指していく.測定に関しては,確立されたシステムであるため特に問題はないと思われるので,プロトコールに従い計画通りに進めていく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究に関する物品等はほぼ購入済みであるため問題はない.今後,研究に参加し協力いただいた患者さんへの謝金の手続きが必要となってくる.研究を完全に遂行して頂いた患者一人に対して1万円の謝金で20名,20万円を予定している. また,国内・海外の関連学会での研究報告をおこなうための旅費として予定している.
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