2013 Fiscal Year Annual Research Report
TCH測定システムを顎関節症治療で用いた効果と習癖是正装置としての有効性の検討
Project/Area Number |
24792106
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小野 康寛 昭和大学, 歯学部, 助教 (70514876)
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Keywords | 顎関節症 / 上下歯列接触癖 / 認知行動療法 |
Research Abstract |
顎関節症の原因因子のひとつである上下歯列接触癖(Tooth Contacting Habit: TCH)を測定するために我々はTCH測定システム開発した.これまでTCHの有無は患者の自覚を質問表により抽出し,また是正法としては貼り紙などを用いる認知行動療法により気付かせる方法が一般的であったが,未だ科学的裏付けがなかった.本研究では我々が開発したTCH測定装置をTCH是正装置として新たな認知行動療法のひとつとして顎関節症治療で応用した効果と有効性の検討を行った. 昭和大学歯科病院顎関節症治療科にて有痛性顎関節症と診断され研究参加の同意が得られた患者30名(男性13名,女性17名,平均年齢30.7±8.7歳)を対象とし,TCH是正法の違いにより装置群(10名),貼り紙群(10名),コントロール群(10名)の3群にランダム割り付けした.初診時には病態説明ならびに患者教育のみを行った.評価項目はTCH頻度,無痛最大開口量および運動時疼痛強度(VAS)の3項目とし,それぞれの項目について20日間のTCH是正治療介入前後および3群間の比較を行った.全ての計測は研究に関与しない顎関節症専門医1名が行った. 3群とも各項目において,TCH是正前と比較しTCH是正後には有意に改善していた(Ttest, p<0.05).TCH是正介入後の群間比較では,装置群がTCH頻度ならびに無痛最大開口量の項目において他の2群よりも有意に改善されていた(one-way ANOVA, p<0.05). 我々が開発したTCH測定装置を顎関節症患者のTCH是正治療に応用することは,従来行われてきた貼り紙による認知行動療法に比べ,より有用であることが示唆された.
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