2012 Fiscal Year Research-status Report
bFGF・poly(P)・IPーCHA複合体を用いた新しい骨増生材料の創製
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24792143
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
林 和彦 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (90444687)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 骨増生 / インプラント / ハイドロキシアパタイト / ポリリン酸ナトリウム / bFGF |
Research Abstract |
中鎖ポリリン酸は繊維芽細胞成長因子(bFGF)の安定化作用およびそれ自体での石灰化促進作用を持つことが知られている。このポリリン酸と骨伝導能をもつ連通多孔性ハイドロキシアパタイトの(IP-CHA)複合体にbFGFをバイオプロセシングして結合させ、より安全で確実にオンレーグラフトの骨再生を可能とする新しいアパタイト系骨増生材料を創製する。 今年度は細胞実験においてbFGFとポリリン酸との相互作用の検討を行った。 マウス骨芽細胞用細胞を次の条件、①ポリリン酸+bFGF、②ポリリン酸、③bFGF、④培地のみ、で一定期間培養を行った。細胞増殖促進能としてWSTアッセイ、石灰化促進能としてALP活性の測定、RT-PCRによるオステオカルシン、オステオポンチンの測定を行った。細胞増殖試験では、①ポリリン酸+bFGF群が多の群と比較して優位に高い値を示した。石灰化促進の評価ではポリリン酸群が有意に高い値を示した。これらよりポリリン酸によるbFGF安定化による細胞増殖促進効果およびポリリン酸による石灰化促進効果が明らかとなった。それゆえ、最終目的である動物実験での応用に向けて、bFGFおよびポリリン酸の相互作用のメカニズムの一端が明らかにできた。今後は、連通多孔性ハイドロキシアパタイトキャリアにbFGFおよびポリリン酸を導入させた人工骨を作成しラット頭頂骨での骨形成促進効果についての検討を行うこととする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はポリリン酸とbFGFの相互作用を明らかとすることであった。細胞実験よりbFGFの作用はポリリン酸により促進されることが確認された。よって当初の目的を達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞実験によりbFGFとポリリン酸の相互作用が明らかとなったため、動物実験において骨形成促進作用を検討する。すなわち動物(ラット)頭頂骨に形成した骨窩に同材料を応用させ、骨増生を評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験における動物購入費、飼育費および関連する実験器具の購入に充当させる。
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