2012 Fiscal Year Research-status Report
CNPを用いた顎顔面領域におけるトランスレーショナルリサーチ
Project/Area Number |
24792201
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中尾 一祐 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (40599932)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 内軟骨骨化 / CNP / 顎顔面形態 |
Research Abstract |
顎顔面の成長は、膜性骨化、内軟骨性骨化が複雑に混在して成長することが知られており、軟骨無形成症をはじめとする骨系統疾患においては、上顎骨の劣成長などの顎変形症が随伴することが報告されている。これまで強力な内軟骨骨化促進作用を有するCNP/GC-B系の顎顔面形態における影響についての報告はなく、今回我々は、CNPの顎顔面形態への作用を、遺伝子改変マウスを用いて解析を行った。 μCTによる顎顔面骨の形態解析にて、3か月齢のCNPノックアウト(CNP-KO)マウスは、上下顎の矢状方向への劣成長を認め、軟骨特異的CNPトランスジェニック(CNP-Tg)マウスでは上顎の矢状方向への過成長を認めた。上下顎の内軟骨性骨化に対するCNPの直接作用を解析するために頭蓋底および下顎骨の器官培養を行ったところ、CNPの添加により頭蓋底の軟骨結合部および下顎頭軟骨は有意に伸長し、頭蓋底および下顎骨の長軸方向への成長が促されることが示された。組織学的解析を行ったところ、特に肥大化層の細胞の肥大化が促進されていた。 CNP-KOマウスにおいて認められた上下顎の劣成長は、蝶後頭軟骨縫合部を中心とした頭蓋底の軟骨縫合部および下顎頭軟骨の内軟骨骨化の抑制により生じており、反対にCNP-Tgマウスにおいて認められた上顎の過成長は蝶後頭軟骨縫合部を中心とした頭蓋底の軟骨縫合部の内軟骨骨化の促進により生じていたことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点で、CNP遺伝子改変マウスの解析は順調に進んでおり、CNPの顎顔面形態への重要性が明らかとなった。 CNPは顔面を構成する軟骨組織に作用することにより、内軟骨骨化を促進し、顔面形態に強く作用することが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は軟骨無形性症モデルマウスを使用し、顎顔面形態の解析およびCNPを用いた新たな顎変形症の治療の可能性の研究を行っていく。 ①軟骨形成不全症モデルへの軟骨特異的CNP-Tgマウスとの交配による顔面形態のレスキュー実験 ②軟骨形成不全症モデルへの血中濃度上昇型CNP-Tgマウスとの交配による顔面形態のレスキュー実験
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウスの飼育費および種々の遺伝子解析や必要となる分子生物学実験試薬や形態学的評価に必要な組織化学用試薬などの消耗品に使用予定
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] The Effects of C-type Natriuretic Peptide on Craniofacial Skeletogenesis.2013
Author(s)
9. Nakao K, Okubo Y, Yasoda A, Koyama N, Osawa K, Isobe Y, Kondo E, Fujii T, Miura M, Nakao K, Bessho K.
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Journal Title
J Dent Res.
Volume: 92(1)
Pages: 58-64
DOI
Peer Reviewed
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