2013 Fiscal Year Research-status Report
口蓋裂モデルを用いたリン酸化プルランによる人工骨の開発に関する基礎研究
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24792271
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清流 正弘 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80510023)
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Keywords | 歯学 / 再生医学 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
本研究では、ラット臼歯の抜歯窩、口蓋裂モデルビーグルの顎裂部にTCP+リン酸化プルランを埋入した際の治癒過程を評価し、実用性 を評価する。さらに、その再生骨内に矯正的に歯を移動 させたときの組織定量学的、分子生物学的な評価を行ない、メカニカルストレスがTCP+リン酸化プルランによる再生骨に及ぼす影響を検討することを予定している。 平成24年度の研究実績として、ラット臼歯抜歯窩に、様々な混合比のTCP+リン酸化プルランを埋入した際の治癒過程を組織定量学的、動物用 CT 画像にて評価し、対照群、抜歯のみの群、TCPのみの群、リン酸化プルランのみ埋入した群と比較し、TCP+リン酸化プルランの抜歯窩治癒促進効果の有無の解析を行なった。 その結果、TCPのみの群は、埋入直後、他の群と比較してCT値が高いが、その後の骨形成に効果は認められなかった。そのことから 、TCPのみでは、埋入窩に定着せずに、流出した可能性があることが示唆された。また、埋入21日頃から、TCP+リン酸化プルラン群 のCT値が他の群と比較して高い傾向がある結果が得られた。また、埋入3か月後の組織像において、リン酸化プルランの残留は認められなかった。 これらの結果から、リン酸化プルランは、生体組織に対し低刺激でかつ、生体硬組織(骨や歯)無機成分であるアパタイトに対し強固 に接着し、生体内で吸収されるため異物として残存することがなく、また、薬剤を混合することにより、薬剤の局所濃度を高めるなどドラッグデリバ リーのキャリアとしての機能も付与することが可能であることが示唆された。 平成25年度は、マウス頭蓋冠モデルを用いて、プルランを担体として、様々な因子(血管内皮成長因子、血小板由来増殖因子、骨形成タンパクなど)を混合し、骨形成の評価を組織定量学的、動物用 CT 画像にて行ない、現在も進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は、口蓋裂モデルビーグルの顎裂部を用いた実験を開始する前に、最も効果的に骨形成を促進する材料の条件を決定するために、マウス頭蓋冠モデルを用いた検討実験を追加で行なっており、やや進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、平成25年度から継続しているマウス頭蓋冠モデルを用いた検討実験により、最も効果的に骨形成を促進する材料の条件を決定した後に、ビーグル顎裂部にリン酸化プルランを埋入した際の治癒過程の組織定量学的評価、再生骨における臼歯移動時の評価を行なう予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、口蓋裂モデルビーグルの顎裂部を用いた実験を開始する前に、最も効果的に骨形成を促進する材料の条件を決定するために、マウス頭蓋冠モデルを用いた検討実験を追加で行なった。そのために実験動物、器具類の購入を行なわなかった。 平成26年度に前年度購入予定の実験動物、器具類の購入を予定している。
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Research Products
(4 results)