2013 Fiscal Year Annual Research Report
多母集団パス解析による炎症関連物質を考慮した歯周病と動脈硬化の関係の性差の解明
Project/Area Number |
24792356
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古田 美智子 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20509591)
|
Keywords | 歯周病 / 多価不飽和脂肪酸 / 動脈硬化 / 性差 |
Research Abstract |
当初の予定であった平成24年度の健診受診者の血清を取得することは困難となったため、今年度は、冷凍保存されている平成20年度の歯科健診受診者の血清を用いて、多価不飽和脂肪酸(PUFA)濃度を測定した。また、歯周組織の健康状態とPUFAの関係について性差があるか分析を行った。 平成20年度の歯科健診受診者は465名(男性193名、女性272名)で、平均年齢は55.3±12.2歳であった。歯周組織の健康状態として、平均アタッチメントロス(AL)の深さは男性で2.6±1.0 mm、女性で2.3±0.8 mmと性差が認められた(p < 0.001)。 PUFAはn-3系とn-6系があり、n-3系はドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)を測定し、n-6系はγリノレン酸(DHLA)とアラキドン酸を測定した。n-3系ではDHAとEPAとも男性のほうが女性より高い値であった。また、n-6系ではDHLAが男性のほうが高い値であった。DHAとEPAの和をn-3系PUFA量、DHLAとアラキドン酸の和をn-6系PUFA量とした場合、n-3系PUFA量は性差が認められ、男性のほうが高い値を示した。 歯周組織の健康状態とPUFAの関係を評価する際に、平均AL3mm以上の有無で歯周組織状態を評価した。その結果、60歳以上の対象者では、平均ALが3mm以上の者は男性ではn-3系PUFA量が多く、女性では逆にn-3系PUFA量が少なかった。歯周組織の健康状態はn-3系PUFA量と関係があり、その関係には性差が認められた。
|
Research Products
(1 results)