2013 Fiscal Year Research-status Report
原子力発電所事故時に妊娠していた女性の心理的状況と家族への支援のあり方の検討
Project/Area Number |
24792412
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Research Institution | Yokohama Soei University |
Principal Investigator |
宍戸 路佳 横浜創英大学, 看護学部, 助教 (90505554)
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Keywords | 災害看護 / 家族看護 / 子育て支援 |
Research Abstract |
昨年度より、対象者を当時妊娠していた方だけでなく、対象を子育て中の親及び支援者広くし、心理的状況と支援のあり方について調査を行っている。 福島県から新潟県へ母子避難している母親を対象にグループ面接調査を行った。結果、あてもなく避難してきており、親戚など目的をもって避難を開始したわけではなく、子どもに放射能の影響があったら困るという思いで避難してきていた。また、避難後も定住するのかも決定しておらず物が購入できない等で遊牧民のような生活を送っていたことが分かった。今後の健康状態の心配や福島にもどるのか戻らないのか、避難をしていることに福島に残る家族に受け入れてもらえないなどのジレンマを抱えており、夫が福島におり、福島と新潟との2重生活に懸念をいだいているとともに、新しい生活を送りたいと思っている一方で避難者であるということから抜け出せない状況であることも分かった。この結果を学会発表予定である。 また、現在避難者を支援している団体で活動している方を対象に面接を行っている。 支援したいという気持ちで無我夢中で支援していることも明らかになった。 現在、風化しつつあるが、放射線について懸念している点や支援してほしい内容、避難生活を続けている方たちがその地で、もしくは福島に戻って生活が送れるように支援していく必要がある。 現在調査とともに避難者がその地で孤立せず、楽しめる場や相談できる場の提供とともに自立して今後の生活が送れるようにサポートをしながら、女性の思いに寄り添って支援していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査対象を広げたため、対象へのインタビュー等を状況にあわせて行っている。ただ、避難者の不安や話したくない等の心理的要素も多いため、今後遅れる可能性もあるため、避難者の思いを優先しながら調査を継続していく。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度も記載したが、研究対象を広げて、子育て中の女性に対しての心理的状況について調査している。 支援者へのインタビュー調査および、避難者への個別インタビュー、放射能に関するインターネット調査を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
避難者や支援者ともに震災から3年目という節目にあたり、かなりのインタビューや調査に協力しており、疲労感がみられ、インタビュー等がおこなえるか関係づくりに重点をおきかつどうしていたため、予算は思うように使用できなかった。 今年度国際学会、国内学会に発表予定。学会発表及び調査報告書の作成を行う。 インタビュー調査の継続及びインターネット調査を行う予定。
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