2013 Fiscal Year Annual Research Report
植込み型除細動器(ICD)移植後患者に関する探索的研究 ―ICDとともに生きる―
Project/Area Number |
24792427
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中西 啓介 信州大学, 医学部, 助教 (10464091)
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Keywords | 植込み型除細動器 / 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ / 高齢者 / 適応 |
Research Abstract |
植込み型除細動器を移植した患者に対する看護支援方法開発の礎を構築することを目指し、本研究はICDを移植した65歳以上の患者が、ICDとともに生きるプロセスモデルの構築を試みた。患者8名から得たインタビューデータを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチで分析した。 その結果、ICDとともに生きるプロセスとは、移植後に強化された“健康が第一(health comes first)”という信念を基底にした、次第に“ICDの存在を忘れていく(forgot about ICD)”までのプロセスであった。この途上では、“ICD移植に伴う制限を守る取り組み(ADHERING TO ICD PRECAUTIONS…)”や、“他人に迷惑がかからないようするための取り組み(NOT BURDENING OTHERS)”をすることで“ICDを自分に迎え入れ(EMBRACE A LIFE WITH ICD)”、“何とかやっていけるかもしれない(realize there is a new path ahead)”という感覚を得ていた。この結果には社会的役割を担い終えた高齢者の特徴が反映されており、高齢者への看護支援を検討するための基礎資料を得ることができたと考える。この成果は韓国で開催された第3回世界看護科学学会で発表した(Keisuke Nakanishi, Michiyo Oka, et.al.:The Process of Living with Implantable Cardioverter Defibrillators among Japanese Elderly Male Patient. The 3rd World Academy of Nursing Science 2013)。 今後は、本研究に先行して実施した、65歳未満の患者の研究成果と統合し、成人患者におけるICDとともに生きるプロセスを明らかにすることで、新たな看護支援方法の開発を目指す。
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