2012 Fiscal Year Research-status Report
救急医療に携わる医療職者の蓄積的疲労に関する関係探索研究
Project/Area Number |
24792441
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
中井 夏子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (80554097)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 救急医療 / 医療職者 / 蓄積的疲労 / チーム医療 / 早期離職 / 職務継続 |
Research Abstract |
本研究の目的は、救急医療に携わる医療職者の蓄積的疲労とその要因の関係について探索することである。平成24年度は以下の2点について実施した。 1.研究者らが今まで実施してきた救急医療に携わる看護師の蓄積的疲労の調査結果を再度確認しその要因を検討した。さらに、救急医療に携わる医療職者の蓄積的疲労に関する研究および職務継続に関する研究を把握しチーム医療を構成する医療職者の実践上の課題を明らかとするために文献検討を行った。その結果、看護師の蓄積的疲労には救急看護へのやりがいが関係していること、都市よりも地域で働く看護師の方がやりがいを感じている可能性があること、看護師以外の医療職者の早期離職および職務継続に関する文献は希少であることが明らかとなった。 2.チーム医療を構成する医療職者の蓄積的疲労の実態と内容および救急医療を構成するチームの一員として職務を継続する意義について探索するため、救急医療に携わる複数の医療職者を対象にインタビューを実施した。インタビューに際し研究者が所属する機関の倫理審査委員会の承認を受けた。対象は救急専門医2名、救急看護認定看護師1名、臨床工学技士2名、薬剤師1名、放射線技師2名である。現在分析中であるが、救急医療を担うことにより蓄積される疲労の要因が示唆されている。また、救急医療チームの一員として職務を継続することに関しては、資格の法的な役割や教育背景の相違から各職種により異なる結果が得られそうである。 本研究結果は、救急医療に携わる医療職者の離職要因である蓄積的疲労の実態と特徴を明らかとするとともに、チーム医療を担う各医療職者の思いの実態を把握できる。今後、分析結果を基に質問紙を作成し量的な研究に着手する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、救急医療に携わる医療職者の蓄積的疲労とその要因の関係について探索することである。当初の予定にそって研究の基礎資料として文献の検討および医療職者の疲労の実態についてインタビューを通して疲労の因子探索を実施した。その結果、目標はほぼ達成したと考える。しかし、インタビュー内容の分析および成果の公表については達成できなかったため平成25年度は継続して実施する。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度からの継続課題であるインタビュー内容の分析および成果の公表を行う。その後、以下について実施する予定である。 1.全国の救命救急センターに従事する医療職者の人員配置について実態調査をおこなう。 2.インタビュー内容の分析に基づき質問紙を作成する。なお、作成に際しパイロットテストを実施する。 3.1.で得られた結果をもとに研究対象に対し2.で作成した質問紙を用いて全国調査を実施する。 なお、いずれの調査についても研究者が所属する機関の倫理審査委員会の承認を得て実施し、結果の分析は研究者の所属する施設の質的、量的研究に卓越した研究者と附属する病院施設の臨床看護師数名よりスーパーバイズを受けて実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費は、1.学会発表等の旅費、2.質問紙作成のためのパソコン等の備品、消耗品の購入、3.質問紙調査に関わる郵送費、4.質問紙のデータを入力する研究補助への謝金等に使用する予定である。 なお、上記研究費は平成24年度使用額に残額と合わせて執行する予定である。残高が生じた理由として、当初、平成24年度は質問紙の印刷等に予算を計画していたが、インタビュー実施により因子探索の結果を経て質問紙を完成するように計画を修正したためである。
|