2013 Fiscal Year Research-status Report
双子のひとりが障がいを有する母親の双子の親になる体験を表す概念モデルの創出
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24792487
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小澤 治美 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (40334180)
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Keywords | 双子 / 母親 / 障がい |
Research Abstract |
本研究目的は、双子のひとりが障がいを有する母親の双子の親になる体験を記述し、その体験を表す概念モデルを創出することである。 平成25年度は、文献検討や障がい児とその家族に対する豊富な臨床経験を有する専門家からの意見聴取等を通してインタビューガイや研究方法を洗練させるとともに、研究対象者の募集のためのフィールド開拓に努めた。 文献検討としては、医学中央雑誌Web版で検索し、障がいを有する双子の養育に関する研究や障がい児の養育に関する研究について、特に、母親の経験に着目し検討した。母親の経験として養育困難に着目している研究や母親が相互作用をしている相手に着目した研究、母親の社会化のプロセスに着目した研究、双子と単胎児に障がい児を有する母親を比較した研究などが行われていることを確認し、内容を検討した。それら文献検討や専門家からの意見聴取をふまえ、経過に即した局面を想定しながらインタビューを行えるようインタビューガイドを洗練した。 本研究を遂行するにあたり、所属施設の倫理審査委員会の承認を得た後、施設に研究依頼を行った。障がい児のリハビリテーション施設や入所施設、外来通院施設等より研究の協力が得られ、研究協力施設の倫理審査委員会の承認を得た後、研究対象者の募集とデータ収集に着手している。今後も引き続きデータ収集と分析を行い、双子のひとりが障がいを有する母親の双子の親になる体験を表す概念モデルを創出する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、双子のひとりが障がいを有する母親が、双子の子育てを通してどのような思いを抱き、それらにどのように折り合いを付けながら、またどのような強みを発揮しながら親になっていくのかについて、ありのままの体験を詳細に描くことを目的としている。 そのため、研究対象者は、乳幼児期に有る双子を養育している初産婦であり、母親は分娩後に既往疾患の悪化や周産期後遺症の長期的影響がなく正常に経過しており、双子は一方は健常児であり、一方の児において、疾病、障がい、成長発達の遅れ等を有するものとしている。本研究を遂行するにあたり、施設より研究協力が得られ、施設の倫理審査委員会の承認も得られているが、母親が初産婦ではなく経産婦であったり、利用している児は双子のひとりであるものの、もう一方の児にも何らかの発達の遅れ等が存在していたり、児の年齢が乳幼児期ではなかったりと、研究対象基準を満たす研究対象候補者の獲得が困難な状況である。また、さらに、多胎分娩件数が多い施設やNICU・GCUを併設している施設や、双子の親の会や障がい児の親の会等にて研究協力依頼の調整を行っているが、施設からの研究協力が得られにくい状況がある。 したがって、研究対象候補者をさらに広く募集するための研究協力施設の拡大に努めている。具体的には、研究協力依頼を行う地域を拡大し、全国の双子の親の会や障がい児の親の会の代表者に研究協力依頼を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、双子のひとりが障がいを有する母親の双子の親になる体験について、引き続きデータ収集と分析を行い、その体験を表す概念モデルを創出する。 研究デザインは、質的因子探索研究である。研究対象者は、①乳幼児期に有る双子を養育している初産婦、②母親は分娩後に既往疾患の悪化や周産期後遺症の長期的影響がなく正常に経過している、③双子は一方は健常児であり、一方の児において、疾病、障がい、成長発達の遅れ等を有する、④日本語でのコミュニケーションが可能なものとし、約10名の研究対象者の獲得を目指すこととする。そのため、現時点で研究協力が得られている施設内で研究対象候補者を広く募集するとともに、更なる研究対象候補者の募集のため、研究協力依頼を行う地域を拡大し、分娩件数が年間1000件以上である施設、リハビリテーション施設、重症心身障害児施設にも研究依頼を行うとともに、全国の双子の親の会や障がい児の親の会の代表者に研究協力依頼を行う。 データ収集内容は、「双子のひとりが障がいを有する母親の双子の親になる体験」であり、インタビューガイドに基づいた半構成的面接法にて収集する。双子のひとりが障がいを有する母親が、双子の子育てを通してどのような思いを抱き、それらにどのように折り合いを付けながら、またどのような強みを発揮しながら親になっていくのかについて、ありのままの体験を詳細に描くこととする。 分析方法は、質的帰納的分析であり、経時的に「双子のひとりが障がいを有する母親の双子の親になる体験」を記述する。全対象者の個別分析結果を基に、共通性、異質性を検討し、特徴を導き出す。それら結果に考察を加え、双子のひとりが障がいを有する母親の双子の親になる体験を表す概念モデルを創出する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「次年度使用額」が発生した状況は、施設からの研究協力を得て、施設の倫理審査委員会の承認を経て研究を遂行しているが、母親が初産婦ではなく経産婦であったり、利用している児は双子のひとりであるものの、もう一方の児にも何らかの発達の遅れ等が存在していたり、児の年齢が乳幼児期ではなかったりと、研究対象基準を満たす研究対象候補者を獲得することが困難であったり、他の施設から研究協力が得られにくい状況があったことである。そのため、データ収集が予定通り進みにくく「次年度使用額」は発生した。 「次年度使用額」及び「平成26年度請求額」は、研究対象候補者をさらに広く募集するためのフィールドの開拓やデータ収集のための調査旅費に使用する予定である。具体的には、全国の双子の親の会や障がい児の親の会の代表者への研究依頼旅費と、全国の分娩施設やリハビリテーション施設、重症心身障害児施設約5施設への研究依頼と、遠方へのデータ収集のための旅費を予定している。また、データ収集後の速やかな逐語録作成のためのメディア媒体と信頼度の高い業者へのテープ起こし委託金、テープ起こしを一部委託する研究補助者への謝金、研究に関連した新たな知見を得るための文献や資料代、新たな知見の獲得や研究成果の公表のための、第16回日本母性看護学会、第55回日本母性衛生学会等の学会参加費や旅費、専門家との打ち合わせ旅費や謝金等、資料整理のための文具等の消耗品に使用する予定である。
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