2013 Fiscal Year Research-status Report
安全な出産と快適な育児期を過ごすための妊娠中から取り組む睡眠プログラムの検証
Project/Area Number |
24792528
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
宮川 幸代 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (20614514)
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Keywords | 妊婦 / 睡眠 / 出産 / 育児 |
Research Abstract |
本研究の全体構想は、安全な出産と快適な育児期を過ごすことができる睡眠の支援内容を検討し、臨床応用できるように妊娠中から取り組む睡眠プログラムを検証することである。 平成25年度は、妊娠期と育児期の女性の睡眠状況について、妊娠期分類に沿った妊娠初期・中期・末期の特性をふまえた睡眠プログラムの内容を検討した。文献検討の結果、妊婦では、非妊婦と比較して昼寝時間の増加も加わり睡眠時間は長く、平均睡眠時間は7~8時間であるにもかかわらず、妊婦の睡眠問題が多い。その主な理由としては、妊娠による生理的、物理的な呼吸と睡眠の変化が生じるためと考えられている。妊婦の睡眠の特徴は、初期は「眠い」、末期は「寝つきが悪くなる」「眠りが浅くなる」などの睡眠の欲求や不満感が多いのに対して、中期は初期と比較して睡眠が落ち着く時期であった。一方、正常な妊婦を対象としたポリソムノグラフィを用いた調査では、夜間の覚醒回数および中途覚醒は増加傾向にあり、睡眠の質は低い結果であった。正常な妊娠経過であっても妊婦に睡眠上の問題が生じる理由としては、妊娠による身体的要因と妊娠による睡眠の生理的変化が複合しているといえる。育児期でもある出産後の女性は、身体の回復が必要な時期であり、妊娠中のホルモン変化と出産後すぐに始まる新生児の授乳によって、睡眠不足の訴えや産褥うつが多い。このため、妊婦が快適な睡眠を得るためには、妊娠中の睡眠生理を説明し、妊娠期の特徴と出産後の育児期までの各時期にあわせた幅広い支援が必要である。これらをふまえた睡眠支援を介入していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予定していた研究計画の到達度は30%である。当初の予定では、平成25年度中に睡眠支援の介入とデータ収集を始める予定であったが遅れている。現時点において、睡眠プログラムの検討が終わったところである。研究が遅れている理由は、妊婦を対象とした睡眠問題を予防するためのプログラムは見当たらなかったため、支援内容の具体化において当初の研究計画より幅広い多くの文献検討を必要としたことである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、妊婦の睡眠支援とデータ収集を開始し、統計処理と結果の考察を行う。さらに研究成果を発表できるようにすすめていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に実施予定であった睡眠支援の介入とデータ収集が遅れているため平成26年度中に実施することとした。 平成26年度は睡眠支援の介入とデータ収集を予定している。倫理委員会への申請が遅れたため、データ収集開始を当初予定していた平成25年度に開始することができなかった。質問票の印刷・通信運搬費・データ収集にかかる金額の一部である繰越金が約300千円あるが、平成26年度に早急に研究を開始し、繰越金をあわせて使用予定である。
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