2012 Fiscal Year Annual Research Report
筋発揮力に及ぼす中枢性および末梢性要因の影響と呼吸応答の役割の解明
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24800091
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
山中 亮 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 契約研究員 (50632840)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | リン核磁気共鳴分光法 / 短時間高強度運動 / 反復運動 / 努力感 / 筋内pH / 呼吸応答 |
Research Abstract |
本研究の目的は、筋発揮力の低下に関与していると考えられる末梢性因子と中枢性因子の関係性を明らかにし、並びに、筋発揮力の維持・亢進に関与する呼吸応答の役割を明確にすることである。 平成24年度は、この目的を達成するために、実験のプロトコルの作成および予備実験を行った。実験では、リン核磁気共鳴分光法(31P-MRS)を用いて運動に対する筋内代謝物質の応答を検討するため、MRI装置内でも実施可能となる仰臥位片脚膝伸展運動を用いた。 予備実験の実施にあたり、運動テストとして、6分間の回復期を挟みながら2分間の高強度運動(0.5Hzのリズムで膝伸展)を3セット繰り返し行うプロトコルを用いることを事前に決定した。このプロトコルを用いて以下の2条件で予備実験を行った。3セットにおける運動負荷がセット毎に増加する条件(true)と、被験者にはセット毎に運動負荷が増加するという偽の情報を伝えて実際には運動負荷が一定である条件(deception)を用いた。その目的として、3セット目において、運動強度が条件間で異なるため(true: 52% 1RM、deception: 50% 1RM)、血中乳酸濃度および筋内pHには条件間で差異が認められるが、運動に対する脚の努力感には条件間で差異が認められないような状態にすることとした。予備実験では、3セット目における血中乳酸濃度はtrue条件の方が高い傾向を示したことを確認した。また、3セット目終了時における運動に対する脚の努力感は条件間で差異が認められない傾向を示した。 実験プロトコルの作成と並行して、MRI装置内において31P-MRSを用いた予備実験も実施した。測定対象となる筋は右脚大腿直筋とした。 以上のように、本実験を実施することができなかったが、実施に際しての問題点を解決できたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度内に、実験1を終える予定として申請書を作成していた。しかし、実験で用いる運動テストのプロトコルの作成に当初予定していたよりも時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
実験プロトコルおよび31P-MRSの測定手法も確立したため、実験の実施が可能である。
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