2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24820013
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Research Institution | Shumei University |
Principal Investigator |
磯部 裕幸 秀明大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (10637317)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 戦前ドイツ / 植民地 / ナチズム / 医学 / 形質人類学 / 人種主義 / 植民地修正主義 / 国際比較 |
Research Abstract |
2013(平成25)年度は、ドイツにおける資史料調査及びその収集、関連書籍(二次文献)の購入、研究上必要なプリンターやコンピュータソフトなど備品の購入を行なった。 上記ドイツにおける資史料の調査は、昨年に引き続きベルリンのドイツ連邦文書館で実施した。なお現地滞在費、マイクロフィルム印刷代、書籍購入にかかる費用は、科研費より支出した。調査では、昨年のドイツ滞在では充分に閲覧することができなかった、ワイマール期、ナチ期におけるいわゆる「眠り病」の医学研究に関する公文書を発見し、時間をかけて閲覧、複写することができた。具体的には「眠り病」の病理学的、細菌学的研究に関する同時代論文、また当時特効薬とされた「ゲルマーニン」に関する臨床実験や製造や出荷に関する帝国保健省、また外務省の公式文書である。これによって、ドイツが第一次世界大戦後、植民地を喪失した後も、「熱帯病」ひいてはそれが蔓延する現場=アフリカ(旧)植民地に関して大きな関心を寄せており、また国際連盟を中心とした国際機関においても、保健衛生分野で重要な役割を果たしていたことが確認できた。そしてその動きが、ドイツの植民地再獲得の動き、いわゆる「植民地修正主義」と密接に連動していることも分かった。昨年収集した史料と合わせ、研究を遂行する上で必要な一次史料に関しては、概ね手元に置くことができたと考えている。 関連書籍(二次文献)の購入に関しては、広く医学、人種衛生学などの研究史や社会史的研究を扱ったものを選定した。こうした文献の研究成果と、ドイツにおける事例を比較検討することで、国際的な文脈において捉えることができ、ドイツの植民地主義や人種主義の何が「特有」なのか、また例えばイギリス、フランス、日本における同様の事例とどのような点において比較可能なのか、という知見が得られるものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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