2012 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌幹細胞におけるmiRNAの解析:発癌予防と抑制そして転移制圧に向けて
Project/Area Number |
24890081
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
末次 淳 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (30340079)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 肝癌 / 癌幹細胞 / miRNA |
Research Abstract |
発癌および癌転移のメカニズムを解明することは重要な研究課題である。 本研究の目標は、①肝癌幹細胞の内部に存在するエクソソームと内包されるmiRNAの役割について明らかにすること、また,②原発巣及び癌転移巣で、癌幹細胞内部のエクソソームと内包されるmiRNAがどのような役割を果たすかを解明することであり、最終的には、③臨床の検体を用いて慢性肝炎、肝硬変そして癌発生(原発巣)から癌転移(転移巣)に至るまでの過程においてのmiRNAの役割を明らかにし、有益な肝癌発生および転移におけるバイオマーカーと新薬の開発を目指すことにある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) エクソソームのみ蛍光タンパクを発現する細胞の確立と癌幹細胞視点での検討 癌cell lineに細胞内のCD63(エクソソームの分子マーカー)を蛍光タンパク質GFPでラベルし、conforcal microscopeにて30~100nm径の小胞が安定して観察される細胞を樹立した。in vitroにおいてエクソソームの癌細胞内での動態を観察しえた。 2) 癌転移動物モデル作成と原発巣および種転移巣でのエクソソームの検討 エクソソームをGFPでラベルした細胞をNude mouseの脾臓に注射し癌転移モデルを作成し、宿主肝臓を主に各種臓器(肺、リンパ節など)の転移巣のエクソソームの局在をconforcal microscopeを用いてin vivoで検討した。さらに転移モデルマウスの血液サンプルを回収し、血液中へのエクソソーム流出を画像的にとらえた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)マウス血清と肝組織でのmiRNAの検討 肝疾患の病態は、10~30年かけて慢性肝炎、肝硬変、肝癌へと進行するため、各病気のステージにおける評価は非常に重要なことである。C型慢性肝炎では、miR-122をターゲットとした治療開発が進んでおり、今後肝硬変、肝癌ステージにおける患者さんの治療開発が望まれる。血清中のターゲットになりそうなmiRNAをReal-time PCRなどで発現状況の詳細な検討を行い各肝疾患ステージで相違が見られるか、さらには、肝生検を用いて発現状況を詳細に調べる。 2) 肝癌幹細胞マーカーとの関わり及び癌モデルへの治療判定 先述の検討後、肝組織切片を利用し、肝癌幹細胞マーカー(CD133,CD44,CD13など)の免疫染色を施行し、1)のin situとの比較検討し、癌幹細胞でのmiRNAの発現の詳細な照らし合わせを行う。そこで特に癌幹細胞に対してターゲットとなるmiRNAが得られれば、さらに治療としての効果を確認するため、培養細胞やマウスを利用し、in vitro, in vivoで検討する。具体的には、in vitroにおいて肝癌幹細胞に合成miRNAを利用して発現を上昇させたり、化学合成miRNAインヒビターでノックダウンさせ、抗腫瘍効果を判定する。計画どおりに進んだなら、肝炎肝硬変モデル(Suetsugu A. Transplantation 2008)や肝癌転移モデルを作成し、in vivoレベルでの効果の判定を行う。
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[Journal Article] Imaging the efficacy of UVC irradiation on superficial brain tumors and metastasis in live mice at the subcellular level.2013
Author(s)
Momiyama M, Suetsugu A, Kimura H, Kishimoto H, Aki R, Yamada A, Sakurada H, Chishima T, Bouvet M, Endo I, Hoffman RM.
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Journal Title
J Cell Biochem.
Volume: 114
Pages: 428-434
DOI
Peer Reviewed
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