2012 Fiscal Year Annual Research Report
肺胞再生を目指した新規COPD治療薬としての肺胞幹細胞送達型経肺システムの構築
Project/Area Number |
24890257
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
堀口 道子 東京理科大学, 薬学部, 助教 (70632470)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 再生治療 / 慢性閉塞性肺疾患(COPD) / ドラッグデリバリーシステム |
Research Abstract |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、さまざまな有害ガス・微粒子・喫煙等が原因で発症する進行性の呼吸器系疾患である。2005年のWHOの報告によると、患者数は世界で8000万人、死亡者数は300万人にものぼり、世界の死亡原因の第4位となっている。COPD患者の肺末梢では広範囲な肺胞の不可逆的構造破壊が起こり慢性的かつ持続的に閉塞性換気傷害を呈する。これら肺胞の不可逆的破壊病変に対して根治的な治療薬は開発されておらず、対処療法のみにとどまっている。近年、障害を受けた組織の修復を目的として再生治療の重要性が高まり、COPDにおいても根治的治療法を確立するためには破壊された肺胞を再生させる再生治療法の確立が急務である。近年、ビタミンA活性体であるレチノイン酸(ATRA: All-trans Retinoic Acid)に肺胞を修復しCOPDを改善する効果が報告されている。 そこで、本研究では、当研究室の開発した新規吸入システムを用いて、レチノイン酸送達システムを開発し肺組織を再生させる新規経肺製剤の開発を行った。 その結果、我々はレチノイン酸を吸入製剤化する技術を開発し特許を出願し(特願 2012-280070)、肺胞再生治療用経肺製剤の構築に成功した。また、我々の確立したヒト肺胞上皮幹細胞の分化誘導評価系を用いて、2種類の新規肺胞上皮幹細胞分化誘導剤を発見し、レチノイン酸より有効性の高い肺胞再生薬物を発見した。更に、レチノイン酸や新たに発見した肺胞再生薬物の有効性および安全性について、COPDモデル動物で評価を実施し肺胞再生効果および安全性を確認した。 これらCOPD再生医療の基盤研究が、疾患に苦しむ多くの患者さんを救う治療薬の開発へと発展することを目指し研究を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(6 results)