2016 Fiscal Year Annual Research Report
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25220803
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
井上 克也 広島大学, 理学研究科, 教授 (40265731)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸川 欣彦 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00415241)
萩原 政幸 大阪大学, 理学研究科, 教授 (10221491)
鳥養 映子 山梨大学, 総合研究部, 名誉教授 (20188832)
菊地 耕一 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (40177796)
松浦 弘泰 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40596607)
美藤 正樹 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (60315108)
秋光 純 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任教授 (80013522)
岸根 順一郎 放送大学, 教養学部, 教授 (80290906)
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| Project Period (FY) |
2013-05-31 – 2018-03-31
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| Keywords | キラル磁性 / スピントロニクス / 分子性キラル磁性 / キラルヘリカル磁気構造 / キラルスピンソリトン格子 / スピン位相オーダー / ＤＭ相互作用 / キラル結晶設計 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
これまでに分子性の設計指針は明らかとなっているが、不斉置換基による立体障害が転移温度の低下の問題を抱えていた。最近自然分晶する分子設計を見出した。この設計では、多くの可能性が可能であることがこれまでに判明したので、今後、類縁帯の合成を進めて行く。また無機キラル磁性体では自然分晶しか育成手段がなかったが、自然分晶の設計についても、ＡＩを用いることで可能性が見えてきた。現在論文投稿準備中であるが、このＡＩを利用した無機キラル磁性体の設計指針についても進めて行く。キラル磁性体で本質的に重要な役割を果たすDM相互作用のを定量化することは非常に重要であるが、大きさに影響を与える磁性軌道の軌道磁気モーメント（L）の直接観測はこれまでも非常に困難であった。今回、Spring-8でのXMCD測定でのL-S分離研究によってＬの大きさを定量的に明らかにした。今後、キラル構造との関係を明らかにし、キラル構造とスピンキラリティの関係の定量化を進める。今年度超低速ミュオン発生に成功した。キラル磁性体のスピン構造とソリトンダイナミクスの観測のため、３軸分光器を開発した。こんご超低速ミュオンを用いたスピン構造の三次元マッピングとスピンダイナミクスの研究を進める。マイクロ波領域の電磁場に対する強い偏光依存性、磁場依存性の非対称性をキラル磁性体で見出した。この非相反効果はキラル磁性体の持つ重要な物性であり、今後定量化を含め進めて行く。また、２次元キラル磁気構造であるキラル磁気渦の磁気相転移現象の安定化メカニズムや内部構造を解明した。いずれもキラル磁性の学理構築と応用展開につながる重要な研究成果である。磁性体と大きなスピン軌道相互作用を保持した5d金属との界面おけるジャロシンスキー守谷相互作用を微視的な模型から導出した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、①新しいキラル磁性体の設計、②無機キラル磁性体のシングルキラルドメイン結晶の育成方法開発、③ＤＭ相互作用の定量化④キラル磁性体の特異物性の発見⑤特異物性の応用展開の道筋をつける、であった。①はすでに15種類程度の新しい分子性キラル磁性体の合成に成功し自然分晶の設計指針まで進めそうである。また無機キラル磁性体の設計ではＡＩが非常に有用であることを見出した。②すでに報告の通り確立しつつある。③は難航したが糸口が見つかりつつある。④は離散的磁気抵抗、離散的磁化率、非相反効果など、期待していなかったものまで明らかになりつつある。⑤④で多くの新しい効果が見つかったので応用展開も進みつつある。これらの理由より計画以上に進んでいると自信をもって言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
無機キラル磁性体のＡＩによる結晶設計を進め、未知無機キラル結晶へと拡大する。超低速ミュオンを用いたキラル磁性体のスピン構造とダイナミクスの完全理解を目指す。さらに、既存のミュオン源を用いて、キラル物質を透過するミュオンの２色性の予備研究を開始する。単軸性キラル磁気結晶におけるスピン波の伝達特性の評価に焦点をあてて、入力信号の進行方向とキラル磁気秩序構造の配置に応じた非相反応答やキラル磁気秩序構造の位相コヒーレンスに基づく非局所位相応答などの伝達特性の評価を進める。また、キラリティとスピン位相コヒーレンスに保護されて安定に発現するキラルソリトン格子に固有の物質機能を活用し、磁気の根源である電子スピンの位相を制御し操るための基盤技術を開発する。今回開発したキラルシングルドメインのキラル無機磁性体CrNb3S6におけるCrスピンの異常な磁気異方性の起源を微視的模型から解明する。
本研究費で２人のポスドク（F. Goncalves氏. Proskurin氏）を雇っているが、それぞれ実験系、理論系としてともに極めて重要な成果を上げており、継続して雇用し、飛躍的に研究を進めたい。
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Research Products
(32 results)
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[Journal Article] Collective resonant dynamics of the chiral spin soliton lattice in a monoaxial chiral magnetic crystal2017
Author(s)
AF. J. T. Goncalves, T. Sogo, Y. Shimamoto, Y. Kousaka, J. Akimitsu, S. Nishihara, K. Inoue, D. Yoshizawa, M. Hagiwara, M. Mito, R. L. Stamps, I. G. Bostrem, V. E. Sinitsyn, A. S. Ovchinnikov, J. Kishine, Y. Togawa，
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Journal Title
Physical Review B, 95
Volume: 95
Pages: 104415/5
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Magnetoelectric Behavior from the S=1/2 Asymmetric Square Cupolas2017
Author(s)
Y. Kato, K. Kimura, A. Miyake, M. Tokunaga, A. Matsuo, K. Kindo, M. Akaki, M. Hagiwara, M. Sera, T. Kimura, and Y. Motome
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Journal Title
Phys. Rev. Lett
Volume: 118
Pages: 107601/5
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Chiral surface twists and skyrmion stability in nanolayers of cubic helimagnets2016
Author(s)
A. O. Leonov, Y. Togawa, T. L. Monchesky, A. N. Bogdanov, J. Kishine, Y. Kousaka, M. Miyagawa, T. Koyama, J. Akimitsu, Ts. Koyama, K. Harada, S. Mori, D. McGrouther, R. Lamb, M. Krajnak, S. McVitie, R. L. Stamps, K. Inoue
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Journal Title
Physical Review Letters
Volume: 117
Pages: 087202
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] CHIRAL EFFECTS ON PHYSCAL PROPERTIES2016
Author(s)
Katsuya Inoue
Organizer
International Symposium on Solid State Chemistry（SSC2016）
Place of Presentation
Jawaharlal Nehru Centre for Advanced Scientific Research, Bangalore, India
Year and Date
2016-12-01 – 2016-12-03
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] CHIRAL EFFECTS ON SOLID STATE PHYSICS2016
Author(s)
Katsuya Inoue
Organizer
National Conference on 'Structure and Chemistry of Materials (SCM)
Place of Presentation
The Maharaja Sayajirao University of Baroda, Vadodara, India
Year and Date
2016-10-15 – 2016-10-16
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] Coordination Chemistry Approach for Chiral Magnet2016
Author(s)
Katsuya Inoue, Li Li, Natsuki Morita, Kotaro Hayashi, Kseniya Maryunina, Sadafumi Nishihara
Organizer
42nd International Conference on Coordination Chemistry ICCC2016
Place of Presentation
Brest、France,
Year and Date
2016-07-03 – 2016-07-08
Int'l Joint Research / Invited
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