2015 Fiscal Year Annual Research Report
探究的な学習活動を機軸とする中等科学教育の新たな展開を指向した教育システムの開発
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25242015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
古賀 信吉 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30240873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯崎 哲夫 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90243534)
松浦 拓也 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (40379863)
木下 博義 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20556469)
三好 美織 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80423482)
蔦岡 孝則 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10231432)
梅田 貴士 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (40451679)
網本 貴一 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (60294873)
竹下 俊治 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90236456)
富川 光 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (70452597)
山崎 博史 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70294494)
吉冨 健一 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (00437576)
井上 正之 東京理科大学, 理学部, 教授 (00453845)
山田 秀人 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 応用科学群, 助教 (30452791)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 科学教育 / 高等学校理科 / 探究学習 / 系統学習 / 文脈学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの2年間の研究成果をもとにして,研究項目①学習素材の探査・発掘および②探究的な学習のための教材開発に継続的に取り組んだ。その成果として,物質の磁性と熱的性質,原子構造,日常生活に関連した化学物質とその反応,動植物の分類形態,地質・鉱物と堆積,気象と自然災害などに関わる素材を見出し,教材化に必要な実験データ,観測データ,画像・映像データなどの整備を進めた。また,それらの素材を精選し,高等学校での探究的な学習活動に活用するための実験観察方法と指導資料を開発した。 これまでの研究項目①および②の成果を活用しながら,研究項目③学習文脈の開発および④探究的な学習プログラムの開発に取り組み,特に「身近な自然と私たちの生活」を重点テーマとして理科各教科をつなぐ学習文脈と文脈学習のための資料開発を行った。併せて,現行の理科各教科における系統学習と開発した学習文脈の種々の接点を探り,そこでの探究的な活動のための学習プログラムの具体案を作成した。 さらに,研究協力校において開発した学習プログラムを用いた試行授業を行い,その有用性を実践的・実証的に評価した。特に,今年度は,いくつかの教育実践的研究において生徒の理科各科目についての学習進度と系統学習と学習文脈の接点として見出される学習場面の整合性を考慮したうえで試行授業を行い,本研究で指向する教科システムと学習システムの合理性を評価するための教育実践的データを得た。研究項目⑥「理科課題研究」の実践的支援活動の一環として,一連の研究成果をWeb公開するための資料作成を行った。また,教育実践的研究に用いた教材資料等を研究協力者である高校理科教員に提供し,教育現場での活用を促すとともに,その成果についてのフィードバックを求めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究項目①学習素材の探査・発掘,②探究的な学習のための教材開発,③学習文脈の開発,④探究的な学習プログラムの開発,⑤教育実践的研究,および⑥「理科課題研究」の実践的支援活動の各研究項目の成果を相補的に活用しながら,おおむね予定通りに研究を遂行している。特に,①,②,④,および⑤の研究成果については,学会発表や論文掲載などの多くの具体的成果を達成している。③については,開発した学習文脈の一つを理科各教科の観点から見直し,学習文脈の意義を検証する形での成果として一連の論文にまとめた。⑥については,①~⑤の研究推進に伴い,資料整備を着実に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画最終年度にあたる本年度の研究においては,研究項目①学習素材の探査・発掘,②探究的な学習のための教材開発,③学習文脈の開発,④探究的な学習プログラムの開発,⑤教育実践的研究,および⑥「理科課題研究」の実践的支援活動を継続的・発展的に推進する。また,研究項目⑤教育実践的研究および⑥「理科課題研究」の実践的支援活動を重点項目とし,研究グループ全体でその遂行にあたる。研究項目①~④では,研究項目⑤教育実践的研究からのフィードバックを受けて,教科システムおよび学習システムの修正・改良に必要な追加的な研究もあわせて行う。また,研究項目①~⑤の成果を,研究項目⑥「理科課題研究」の教育実践を支援する活動として開設したWebページに移植し,高等学校理科における種々の学習場面での探究的な学習活動に活用可能な学習素材として提供する。さらに,4年間の研究成果の取りまとめを行い,その効果的な活用のために国内外での学会発表や論文執筆を精力的に行うとともに,Webを介してまた公開シンポジウムの開催を通じて研究成果についての客観的な評価を仰ぐ。研究成果の検証をもとにして,近未来型の中等科学教育のあるべき姿とその実現に向けた課題の明確化を図る。一連の研究総括を通じて,多面的で包括的な次世代中等科学教育の確立を目指したさらなる研究展開のための課題設定と研究計画の立案を行う。
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Research Products
(150 results)