2014 Fiscal Year Annual Research Report
時系列データの蓄積から社会変動モデルの構築へ:中国第三次四都市調査の挑戦
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25243001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
園田 茂人 東京大学, 情報学環, 教授 (10206683)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 第三次四都市調査 / 時系列調査 / 社会変動モデル / 中国 / グランデッド・セオリー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、調査の実施に充てられた。4月から9月まで質問票の内容について最終的な詰めを行うと同時に、4都市で調査を実施するための具体的な体制作りに意を尽くした。具体的には、天津社会科学院社会学研究所の潘允康研究員と協議を重ね、天津、重慶、上海、広州、各地での調査実施の責任者を決めると同時に、調査対象地のチェック(再開発などで調査が不可能になっていないかの確認)を行い、従来通りの調査地とサンプリングが可能であるかどうかを確認した。 その結果、天津市では五大道街、東新街、望海楼街、挂甲寺街、学府街、鈴鐺閣街の6つの街道、重慶市では、南紀門街道、解放碑街道、 渝培路街道、華新街道、龍門浩街道、楊家坪街道の6つの街道、上海市では広中路街、江蘇街、田林街、上鋼新村街道、外灘、 淮海、石門二路。小東門、延吉、石泉、共和新路の11の街道、広州市では光塔、人民街、華楽街、珠光街、大唐、大東、天河南、林和、站前街、彩虹街、新港街、南石頭の12の街道で、それぞれサンプリングを行うことができた。 実査は、天津市では平成26年の10月から11月にかけて、それ以外の三都市では平成26年の11月から12月にけて、それぞれ実施され、所期の目標である各都市1000サンプルを集めることができた。データクリーニングを経て、平成27年3月には完全なデータファイルが完成。あとは、これを用いた分析を進めていけばよい状態にある。 ただ、今まで二度の調査データとのマージ作業は行われておらず、来年度は、このマージ作業を行うこととなる。同時に、時系列分析が可能となる変数については単純集計をもとにした知見のとりまとめを行い、その解釈をめぐる討論を中国人研究者と進めていくことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年の段階では、急激に円安・人民元高が進み、しかも日中関係が改善しない状況にあって調査のスムーズな実施がむずかしいと思われていたが、これも、中国側パートナーの協力や研究費の前倒し利用などの方法を通じて、所期の目標を達成した形でデータ収集が可能となった点が大きい。中国都市部を対象とした三時点データの獲得は、中国国内を見渡しても本プロジェクトしかなく、きわめて貴重なデータが収集できたものと考えている。予算や調査プロセスのマネジメントの観点から、調査実施期間中に4都市を見て回ることができなかったが、天津社会科学院社会学研究所の潘允康研究員からの報告、および同氏に提出された各都市の実査責任者の報告書を読む限り、調査プロセスは厳格に管理されていることが読み取れる。単純集計を眺めてみても、データの質が高いことが窺える。
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Strategy for Future Research Activity |
あとは、第一回、第二回のデータとマージして統合データベースを作成するとともに、単純集計やクロス集計から得られる知見を解釈する作業を始める。最終的な成果報告会は平成28年度に実施するが、平成27年度には、適宜、メールでのやり取りを通じて、今回の成果についての意見交換を行う。平成27年の5月には、平成25年度に意見交換をしたハーバード大学社会学部のMartin Whyte教授やシドニー大学のChen Minglu教授らと意見交換を行い、社会変動モデルを作る際のヒントを得る。
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Research Products
(16 results)