2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25244006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤岡 穣 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70314341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲本 泰生 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (70252509)
加島 勝 大正大学, 文学部, 教授 (80214295)
浅見 龍介 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, その他部局等, その他 (30270416)
岩田 茂樹 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, その他 (20321622)
淺湫 毅 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, その他部局等, その他 (10249914)
楠井 隆志 福岡県立アジア文化交流センター, その他部局等, 研究員 (30446885)
皿井 舞 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, その他部局等, 研究員 (80392546)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 金銅仏 / 蛍光X線分析 / 国際情報交換 / 韓国 / 東アジア |
Research Abstract |
本研究は、5~9世紀東アジア(中国:南北朝~唐時代、韓半島:三国~統一新羅時代、日本:飛鳥~奈良時代)の金銅仏および関連する金銅製品を対象として、様式検討に加え、蛍光X線分析(XRF)、マイクロスコープ撮影、X線CTスキャン等の科学的調査を実施し、時代や地域による青銅成分の異同、鋳造技法や彫金技法等の特色を抽出することによって、各々の製作地を再検討するものである。また、そうした過程を通じて、美術史学と文化財科学との交流を深め、相互に有効な研究方法の開発に努めるとともに、考古学や文献史学との領域横断的研究により、金銅仏をはじめとする文物の東アジアにおける伝播の様相について考察を及ぼし、新たな研究基盤を築くことを目指している。 本年度には携行式の蛍光X線分析機器を購入した。その際、複数の機器について標準サンプルを用いて分析結果を比較したが、いずれの機器も予想以上に精度が高いことが確かめられた。これまで携行式の機器は精度に不信感がもたれがちであったが、条件が整えば十分に信頼できることが確認できた意義は大きい。 金銅仏の調査は、国内では東京国立博物館、東京芸術大学美術館、根津美術館、出光美術館、京都国立博物館、香雪美術館、観心寺、韓国では国立大邱博物館、国立中央博物館において計約80件の作品について実施し、その他、韓国、中国において関連作品の調査を行った。 公開セミナーを2回開催し、蛍光X線分析に関する分析科学、彫刻史、工芸史、考古学の諸分野からの報告を通して、最新の研究情報を共有するとともに、今後の研究の進め方に関して指針を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年計画していた機器の購入、調査活、セミナーの開催はほぼ予定通りに実施できた。経費の都合上、九州方面の調査は次年度に延期したが、計画になかった関西での調査を実施した。 2年目以降の調査活動についての計画も順調であり、2015年開催予定の大阪大学総合学術博物館での展覧会、2016年開催予定の九州国立博物館での展覧会の企画も次第に具体化している。加えて、本科研の成果を踏まえて、2015年度には韓国国立中央博物館においても展覧会が開催されることがほぼ決定した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画にしたがって調査、セミナーやシンポジウム、展覧会の開催を行う。ただし、申請した予算を交付予定額が下回っていることに加え、消費税の導入により経費が予定よりもかさむことになったため、調査の一部については計画を縮小せざるを得ない。
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Research Products
(10 results)