2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25244006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤岡 穣 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70314341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺湫 毅 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, その他部局等, その他 (10249914)
岩田 茂樹 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, その他 (20321622)
浅見 龍介 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, その他部局等, その他 (30270416)
楠井 隆志 福岡県立アジア文化交流センター, その他部局等, その他 (30446885)
稲本 泰生 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (70252509)
加島 勝 大正大学, 文学部, 教授 (80214295)
皿井 舞 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, その他部局等, 研究員 (80392546)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 金銅仏 / 東アジア / 蛍光X線分析(XRF) / 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 韓国 / 中国 / カンボジア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下のとおり、金銅仏の調査を実施した。龍谷ミュージアムチベット展出品作品のうち12件(6/9)、個人所蔵の金銅仏4件(6/18)、法隆寺献納宝物23件(6/19・20)、石山寺本尊胎内仏4件ほか(7/11)、静岡市美術館法隆寺展出品作品のうち鶴林寺観音像、深大寺釈迦像(7/22)、滋賀・百済寺半跏思惟像、滋賀・小谷寺半跏思惟像(8/5)、正木美術館半跏思惟像、四天王寺金銅仏5件(8/6)、大阪市立美術館金銅仏11件、観心寺半跏思惟像(8/7)、大峯山寺蔵王権現26件(8/8)、福岡市博九州仏展出品作品のうち2件、福岡市美半跏思惟像(11/25)、九州国立博物館所蔵金銅仏2件、長崎26聖人記念堂半跏思惟像(11/26)、長崎・明星院仏立像(11/27)、長崎・極楽寺仏立像(11/28)、飛鳥寺飛鳥大仏(2/16)、鰐淵寺金銅仏4件(3/12・14)。この他、四国村ギャラリーの「手のひらの上の仏像」展を監修し、出品金銅仏を調査した。また、メトロポリタン美術館(7/12-18)、山東・河北(8/26-9/4)、カンボジア(12/17-24)、西安・敦煌(3/2-10)等において関連調査を行った。これらの調査を通じてXRFデータを集積し、時代、地域による青銅成分の異同等についていくつかの所見を得ることができた。また、日本の古代金銅仏にしばしばアマルガム鍍金ではなく漆箔ないし金泥による鍍金の例があること、中国には鍍金を施さない作例があることが判明した。 調査活動のほかに、第3回公開セミナー(8/9)を開催し、李炳鎬(韓国国立中央博物館)「百済瓦当からみた古代東アジアの文化交流」、田中俊明(滋賀県立大学)「高句麗小金銅仏光背銘の検討」の報告をめぐって種々の意見交換を行った。 さらに、2015年度に大阪大学総合学術博物館で開催予定の本科研の成果に基づく金銅仏展の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査活動はほぼ計画通りに実施できた。ただし、計画していた調査のうち、山東の金銅仏の分析調査がかなわず、また慶州における調査を行うことができなかったが、逆に次年度に予定していた調査を先取りして実施したものがあり、また当初の計画になかった飛鳥大仏の調査や四国村ギャラリー企画展出品作品の調査を実施するなど、むしろ当初の計画以上に成果をあげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き研究計画にしたがって調査を継続し、2015年度には大阪大学総合学術博物館で開催予定の金銅仏に関する展覧会および関連の国際シンポジウムにおいて成果の一端を公表する。また、2015年度には韓国国立中央博物館において古代仏教彫刻展が開催されるが、同展には欧米で調査を計画していた作品の多くが出品されるため、その機会に調査を実施することによって調査活動の効率化を図り、あわせて開催される国際シンポジウムでは研究成果の一端を発表する予定である。なお、この間、計画にはなかった飛鳥大仏の調査について実施の許可が得られたため、3次元計測、XRF(蛍光X線分析)およびXRD(X線回折)等の調査を行い、同像の保存状態や制作技法について検討を行う予定である。
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Research Products
(15 results)