2015 Fiscal Year Annual Research Report
国際コンソーシアムによる「原爆放射線被害デジタルアーカイブズ」の構築に関する研究
Project/Area Number |
25244028
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
安藤 正人 学習院大学, 文学部, 教授 (90113422)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 博子 明治学院大学, 付置研究所, 研究員 (00364117)
入澤 寿美 学習院大学, 付置研究所, 教授 (20101587)
千葉 功 学習院大学, 文学部, 教授 (50327954)
加藤 聖文 国文学研究資料館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (70353414)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 原爆 / 放射線被害 / デジタルアーカイブズ / アーカイブズ学 / 記録 / 国際コンソーシアム |
Outline of Annual Research Achievements |
【第1課題】原爆放射線被害に関する資料のアーカイビングと国際コンソーシアムの構築 (1)2015年11月18日から20日までの3日間、米国テキサス州ヒューストンにおいて、テキサス医療センター(TMC)との共催で“Memories of the Nuclear Age”と題する国際研究集会を開催した。日本から10人ほどが参加し、5本の研究報告を行った。(2)TMC図書館と共同で行ってきた米国科学アカデミー(NAS)所蔵ABCC資料画像のデジタル・アーカイビング研究について、日本アーカイブズ学会とアメリカアーキビスト協会で報告を行うとともに、NAS作成目録と全デジタル化画像をAtoM(アトム)システムにアップロードし、画像をPDF化した上でTMC図書館に提供した。(3)国内調査関係では、平成26年7月に実施したアンケート調査の分析作業を行った。その結果、47機関が原爆関係の資料を保存、被ばく者に関する資料は、広島・長崎に限らず全国各地に保存されていることが判明した。(4)原爆放射線被害記録のデジタルアーカイブズによる公開に伴うプライバシー保護の問題について、アクセスポリシー案の作成に取り組み、11月のヒューストン国際研究集会において、日本におけるデジタルアーカイブズの現状紹介とともに報告した。 【第2課題】原爆被害調査に関するオーラル・ヒストリー 旧ABCC関係者との接触を行い来年度に聞き取り調査を実施すべく準備を進めている。 【第3課題】アジア諸国等における原爆関係資料の所在情報の集約とアーカイビング 今年度はムッソリーニ記念館、イタリア国立公文書館、国際連合欧州本部アーカイブズ、国際赤十字委員会図書館、リヨン市レジスタンス博物館において国際人道支援関係文書の調査収集を行い、あわせて文書公開制度について調査を行った。とくに、国際赤十字委員会では原爆被害調査の写真資料を発掘した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の中心であるABCC資料群について、デジタルアーカイブズ構築のための研究と作業が順調に進んでおり、国際コンソーシアムの米国側ホスト機関も決定して準備が進んでいる。今年度にデジタルアーカイブズの公開に向けたプライバシーチェック等の作業と米国側との合意書作成が終了すれば、計画の主な目的は達成される。一方、副課題であるオーラルヒストリーの収集やアジア関連諸国における原爆放射線被害関係資料の調査についても、ほぼ計画を達成できる見通しである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究計画の最終年度にあたるため、研究の取りまとめと、研究計画終了後の研究成果の活用について、着実に作業を進める。具体的には、デジタルアーカイブズ構築のための最終的なデータ整備と資料群のアーカイブズ学的記述の完成、デジタルアーカイブズ公開に向けたプライバシーポリシーの完成とそれに基づく資料のプライバシー情報チェック作業、、また国際コンソーシアム構築のための米国側協力機関との協議と合意書の作成などである。年度最後にはまとめの研究会も開催したい。
|
Research Products
(11 results)