2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25244030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今西 一 大阪大学, 文学研究科, 研究員 (20133621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 亮太 立命館大学, 経営学部, 教授 (00363416)
石原 俊 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (00419251)
白木沢 旭児 北海道大学, 文学研究科, 教授 (10206287)
井澗 裕 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 研究員 (10419210)
松田 京子 南山大学, 人文学部, 教授 (20283707)
田中 隆一 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 研究員 (20647820)
河西 英通 広島大学, 文学研究科, 教授 (40177712)
塩出 浩之 琉球大学, 法文学部, 准教授 (50444906)
水谷 清佳 東京成徳大学, 人文学部, 准教授 (50512117)
平子 玲子(広瀬玲子) 北海道情報大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60216596)
三木 理史 奈良大学, 文学部, 教授 (60239209)
玄 武岩 北海道大学, その他の研究科, 准教授 (80376607)
中村 平 神戸女子大学, 文学部, 助教 (80632116)
天野 尚樹 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 研究員 (90647744)
飯塚 一幸 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50259892)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 帝国 / 移動 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 韓国 / 東南アジア / 中国 / 動員 |
Outline of Annual Research Achievements |
第一に研究代表者・分担者間の問題意識を共有し、科研テーマに関する理解を深めるために、2014年6月8日に第一回目の定例研究会を実施した。研究会では戦中~占領期おける朝鮮人の移動に詳しい外部講師を招いて討論を行うとともに、分担者の研究成果(書籍)の書評を行った。 第二に帝国日本において最も大規模かつ過酷な動員が実施された植民地期朝鮮についての理解を深めるため、研究代表者・分担者と韓国の研究者でセミナーと共同調査を実施した。具体的には、8月23日にソウル大学洛星台研究所、8月24日に忠南大学でセミナーを開き、韓国において植民地期朝鮮研究を牽引してきた研究者と意見・情報交換などの研究交流を行った。また、8月25~28日までは忠南大学研究者とともに済州島を訪れ、済州大学の研究者から戦前~占領期済州・大阪間における済州人の移動実態に関する説明を受けた後に、済州4・3平和記念館等で資料調査と聞き取り調査を行った。 第三に本科研のテーマに関し、東アジアレベルでの議論を喚起し、これまでの研究成果を広く一般の人々・研究者に公開するために、10月18・19日に立命館大学で国際シンポジウムを開催した。18日のシンポジウム「東アジア研究の架橋」では、韓国・漢陽大学から招いた6名の研究者、中国・北京大学から招いた3名の研究者と、参加者40名とともに討論を行った。19日のシンポジウム「国民国家論と民衆史」では、研究代表者と、国内・アメリカから招いた現代歴史学の第一線の研究者5名が登壇した。本会には全国から約100名の参加者があり、活発な議論を交わすことができた。 第四に2014年度の総括、来年度以降の研究の充実のために、2015年1月25日に京都で研究会を行った。研究会では分担者が研究報告を行なうと共に、「従軍慰安婦」研究を牽引してきた外部の専門家に報告を行ってもらい、戦時日本における女性の動員について議論を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、帝国日本に関する研究を進めてきたが、各自の研究計画は順調に進んでいる。平成25年度は、定期的に研究会を行い、台湾の原住民研究の本の書評や移民、「慰安婦」問題を取り上げた。共同研究としては、韓国で洛星台経済研究所や忠南大学で「移民史」研究の両国の研究状況についてのシンポジウムを行い、済州島の調査を実施した。国内では漢陽大学との研究会、ハーバード大学や北京大学の研究者を招いての「グローバリゼーションと現代歴史学」のシンポジウムを開催し、多数の参加を得た。その他に、北海道大学のスラブ・ユーラシア研究センターと共催で、「国内植民地」の研究会を開催した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続いて、年度内に数回程度の共同研究会を開催し、戦時の「強制連行」などの具体的な問題とともに、「国内植民地」論などの方法を、さらに深めていきたいと考えている。そのために、沖縄での調査や琉球大学との共同研究会を考えている。国内では、「戦後70年」にあたる年でもあるので、韓国の研究者などを招いて、「東アジアの脱植民地化」についてのシンポジウムを開催したいと考えている。海外では、上海を中心に南京などにも調査に行きたいと考えている。上海は、古くから日本人移民が多く、上海市の図書館は、資料的にも膨大であり、比較的自由に調査が可能だと聞いている。また、上海の研究者との交流も予定している。
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