2013 Fiscal Year Annual Research Report
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25247003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
二木 昭人 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (90143247)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アインシュタイン計量 / ケーラー多様体 / Fano 多様体 / リッチ流 / リッチ・ソリトン / 平均曲率流 / 自己相似解 / 安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2012年秋から2013年春かけて発表された Chen-Donaldson-Sun および Tian による Fano 多様体上のケーラー・アインシュタイン計量の存在と K 安定性との同値性を証明した論文は,これまでの研究を一段落させるものであったが,その一方,一般の偏極多様体におけるスカラー曲率一定計量の存在問題の研究への新しいスタートの起点でもあろう.cone angle を持ったケーラー計量という新しい枠組みはある程度そのまま使えるが,リッチ曲率の有界性から従う Gromov-Hausdorff 収束極限の性質,その極限の複素解析性などは反標準偏極の場合しかつけない手法である.一方,Gromov-Hausdorff 収束極限を用いる手法は種々の複素幾何への応用が期待される.また,ケーラー・アインシュタイン計量の存在をリッチ流による方法で別証明を与える試みも重要である.以上のような方針に基づき,北海道大学・登別において日中幾何学研究集会,Tokyo-Seoul Conference in Mathematics,菅平複素幾何シンポジウムを開催し,海外の研究者との研究成果の交換を行った.また,国内外の研究集会で計10回の講演を行った.論文は縮小勾配ソリトンの直径の下からの評価に関する論文を2編,局所共形ケーラー多様体の不変量に関する論文を1編出版した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平均曲率流の単調性公式と自己相似解の生成に関する結果を錘多様体上で得ることができた.重み付きラプラシアンの第1固有値に関する研究が進んだ.これらの研究の推進のため,国内外の研究者との交流を進めた.特に,国内で国際研究集会を3つオーガナイズした.
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Strategy for Future Research Activity |
ケーラー・アインシュタイン計量の一意性,スカラー曲率一定計量の一意性について,多重ポテンシャル理論が応用されつつある.この手法はケーラー・リッチ流,ケーラー計量の空間の測地線などの手法と相俟って,有力な手法である.この理論を取り入れて,特異代数多様体のケーラー幾何を研究に取り込みたい.
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Research Products
(8 results)