2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on practical application of zinc finger nuclease for gene knockout animal production
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25252056
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内藤 邦彦 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (20188858)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 人工ヌクレアーゼ / Cas9 / CRISPR / ブタ卵 / マウス卵 / 魚類卵 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブタ卵に対する検討では、GV特有のDNA形状やゲノム状態が変異導入に及ぼす影響を解析した結果、卵(4n)の変異導入アレル数は62%が1本、35%が2本と少なかった。これが減数分裂特異的かは確定できないが、成熟過程に導入された変異が必ずしも次世代へ反映されないことが示唆された。LMB処理GV期卵ではMII期卵に比べて長いindelが導入される傾向があり、脱凝縮した染色体は凝縮したものより大きな欠失が起こり易いと考えられた。 魚類卵に対する検討では、ヤマメ2尾に由来するF1の6.8%と13.3%の個体が、またニジマス2尾に由来するF1の1.7%と3.9%の個体がヘテロ変異体であり、これら同士を交配したF2では約1/4がノックアウト(KO)個体であった。したがって低率だが魚卵にもCRISPR/Cas系は有効で、変異は次世代に受け継がれることが示された。 ノックイン(KI)個体の作製に関しては、高濃度の二本鎖DNAによる発生停止のメカニズムについてDNA損傷応答の面から検討し、前核期のヒストン H2AXリン酸化がこの時に顕著に上昇する一方、その下流であるp53や着床前胚の発生進行に重要な胚性ゲノム活性化に影響は認められなかった。以上より、二本鎖DNAは受精卵にp53を介さないDNA損傷応答シグナルを活性化させることが示唆された。 これまで用いられStreptococcus Pyogenes (SP)由来のCRISPR/Cas系以外のPAM配列の異なるCRISPR/Cas系の有効性について、培養細胞でゲノム改変に使用可能と報告されているS.Thermophilus-1(ST1)のものが受精卵を用いたKOおよびKIマウスの作製に応用できるか検討し、変異導入が92%、KIが46%とSP同等の高率にゲノム編集が可能であることを示した。また、Campylobacter jejuni (Cj)由来のCRISPR/Cas系のPAM配列を検討し、5'-NNNVRYACでは80%前後の変異率が得られるが、これまでPAMとして使用可能と報告されている5’-NNNNACA、5’-NNNNRYAC、5’-NNNVRYMでは変異が導入できないことを示した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)