2013 Fiscal Year Annual Research Report
悪性幹細胞を標的とするヒト慢性骨髄性腫瘍制御法の確立
Project/Area Number |
25253069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
赤司 浩一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80380385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 浩己 九州大学, 大学病院, 准教授 (20403925)
竹中 克斗 九州大学, 大学病院, 講師 (30301295)
宮本 敏浩 九州大学, 大学病院, 講師 (70343324)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 癌幹細胞 / 骨髄増殖性腫瘍 / 骨髄異形成症候群 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
平成25年度研究では、マウス体内でのヒト造血再構築の効率を高めることを目的に、次世代免疫不全マウスの更なる改良を目指した。ヒト造血細胞生着効率を高めるストラテジーとして、我々はCD47/Sirpa系を介したマクロファージ寛容に注目している(Nat Immunol 8, 2007)。Sirpaにはマウスストレイン固有の遺伝子多型が認められるが、NOD型のSirpaのみがヒト造血細胞上のCD47と強く結合し、マクロファージに対する貪食抑制シグナルを誘導可能であることを見出した。実際、C57BL/6.Rag2(nullIl2rgnull) マウスにNOD型Sirpaを遺伝子導入した新規免疫不全マウスC57BL/6.Rag2(nullIl2rgnull) mice harboring NOD-Sirpa (BRGS)では、NOD.Rag1(nullIl2rgnull) マウスと同等以上のヒト造血細胞生着が認められた。C57BL/6バックグラウンドとすることで、NODバックグラウンドには無い補体活性が担保されるため、造血器腫瘍に対する抗体療法のcomplement-dependent cytotoxicity(CDC)活性が評価可能となる点は大きなメリットであった。上述の研究成果は、Blood 121, 1316-25, 2013に報告した。また、BALB/c型SirpaもヒトCD47と中程度に結合することが可能であり、ヒト造血細胞に対するマクロファージ寛容を誘導可能であることを見出し、Exp Hematol 42, 163-171, 2014に報告した。平成25年度研究で新規に樹立した次世代免疫不全マウスによる異種移植系をもちいて、骨髄増殖性腫瘍ならびに骨髄異形成症候群における腫瘍性幹細胞の同定実験を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記したように、ヒト造血を高率に再構築しうる次世代免疫不全マウスラインの樹立に成功し、骨髄増殖性腫瘍や骨髄異形成症候群の腫瘍性幹細胞を解析する実験基盤が確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
慢性骨髄性疾患における腫瘍性幹細胞分画の純化、同定を行う。 骨髄増殖性腫瘍幹細胞を包括的に理解するために、ET, PVの患者骨髄中に存在すると予想される腫瘍性幹細胞を同定する。既知あるいは新規の幹細胞マーカーをもちいて、ヒトET, PVの病態をマウス中に再構築できる腫瘍性幹細胞分画を絞り込む。幹細胞としての機能評価には、次世代免疫不全マウスへの異種移植系をもちいる。それぞれの純化腫瘍性幹細胞に対し、ディープシーケンサーをもちいた遺伝子プロファイリングを行い、最終的には、それぞれの病態の違いの原因となる分子生物学的メカニズムの解明を目指す。同様な腫瘍性幹細胞探索を、骨髄異形成症候群に対しても展開する。
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Research Products
(10 results)