2014 Fiscal Year Annual Research Report
中国抗議型維権活動拡大のメカニズム:認知の解放・支配方式の転換・動員手段の多様化
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25257103
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
唐 亮 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (10257743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱田 雅晴 法政大学, 法学部, 教授 (00199001)
小嶋 華津子 慶應義塾大学, 法学部, 准教授 (00344854)
石塚 迅 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (00434233)
田原 史起 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20308563)
青山 瑠妙 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20329022)
呉 茂松 慶應義塾大学, 法学部, 講師 (40612693)
辻中 豊 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (70145944)
御手洗 大輔 早稲田大学, 法学学術院, その他 (80553099)
任 哲 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (90434381)
中溝 和弥 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (90596793)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 維権運動 / 社会運動 / 動員のネットワーク / ネット社会 / 権利意識 / 官民衝突 / 弾圧のコスト / 政府の対応 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は計8回の研究会、国際セミナーを開催した。研究分担者はそれぞれの分担から初歩的な研究成果を発表したほか、中国・抗議型維権運動に関する分析の枠組み、各分担研究間の連携を議論した。国際セミナー日本国内外の専門家をゲスト講師に迎え、諸外国の社会運動の実態や比較研究の可能性を探り、研究助言を得た。研究分担者は研究テーマに沿い、現地調査を実施して文献資料を収集したほか、維権運動の参加者、政府や企業の関係者、NGO/NPOなどの市民団体、メディア関係者らに対する聞き取り調査や現地研究者との意見交換を行った。 2014年度の研究成果は主として以下の通りである。(1)グローバル化、緩やかな自由化、インターネットの普及などによって、情報化、意識の多様化が進展してきた。それは権利要求の拡大につながる基礎的な要素である。(2)制度化が進んできたが、法治はいまだに確立されていない。他方、民衆は抗議活動の展開で世論や上級機関の関心を集めることによって、関係当局から最大限の譲歩を引き出そうとする。抗議型維権活動の多発は制度化の遅れによるところも大きかった。(3)結社の自由が制限される中で、動員のネットワークは主として地域コミュニティ、職場に限定されている。それは抗議運動は総じて規模が大きくならない原因である。ただ、維権運動の関係者はソシャール・メディアを活用することによって、幅広く世論の支持を調達することは可能になりつつある。(4)近年の傾向として、アドボカシー型のNGOは維権を主張し、以前よりも積極的に社会運動を展開しようとする。その場合、NGOがかかわろうとする維権運動は地域が広く、持続性が長いとの特徴がある。(5)政府は抗議活動の規模拡大や民主化運動との連携の可能性を恐れ、インターネットやNGOの規制を強化し始めている。 上記の研究成果は主として研究会や学会での報告、出版の形で公表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
問題の設定に沿い、先行研究を踏まえながら、枠組みを確定し、資料収集と現地調査を行い、初歩的な研究成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度の研究成果を踏まえ、引き続き、資料収集と現地調査やデータを行い、研究分析を深めていく。
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Research Products
(34 results)