2014 Fiscal Year Annual Research Report
北極ヘイズが氷雲粒子濃度に与える影響に関するライダーとレーダによる観測研究
Project/Area Number |
25257201
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴田 隆 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70167443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 杉紀 防衛大学校, 応用科学群, 准教授 (30535274)
鷹野 敏明 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40183058)
塩原 匡貴 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (60291887)
白石 浩一 福岡大学, 理学部, 助教 (80299536)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 北極ヘイズ / ライダー / 雲 / 雲レーダー / 氷晶核 |
Outline of Annual Research Achievements |
前昨年度末平成26年3月に、ノルウェー、スヴァールバル、ニーオルスンにライダーを設置し、エアロゾルと雲の連続観測を開始した。当初技術的問題として、極域の低温環境下での連続観測に必須である外気と観測室の間を遮断するため、観測窓に設置した無反射コートを施したガラス板の内側に着く霜と外側に積もる雪をどう取り除くかが問題となった。すなわちガラス板を水滴もしくは氷の付着からいかにして防ぐかが、単純ではあるが重要な問題であった。試行錯誤の結果、これについては、ライダー機器の熱排気をダクトを用いてガラス板内側まで導いてやり、常時、ガラスの温度を暖房された室温程度に保ことで解決した。ライダー装置はレーザの消耗部品であるフラッシュランプとイオン交換樹脂および脱イオン冷却水を定期的(約三ヶ月に一回。5月、7月、10月、12月、3月。)交換することで、故障等が生じることなく現時点で約1年、問題なく動作している。10月には、ライダー受信部には低高度のビームオーバーラップを確実にするため、光電子増倍管の前に集光レンズを挿入した。この改造で測定下限高度が1kmから0.5kmと低下し、より低高度までの測定が可能となった。また3月には、受信信号処理のため高分解能(16bit)トランジェントレコーダを導入し、データの高精度化を計った。フラッシュランプの交換などの定期的な保守には作業に応じて一人もしくは二人が現地に出向き実施した。 ライダー観測ではNd:YAGレーザーの二波長、532nmと1064nmで後方散乱係数と532nmでの偏光解消度が1分および15mの時間、高度分解能で求まり、これまでに約1年間のデータが連続的に得られた。今後得られたデータの詳細な解析、および隣接する雲レーダの観測と比較・解析して、エアロゾルと雲の微物理的な特徴を求めて行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、H25年度はライダー設置、H26年度の春から夏にかけての観測を予定していたが、当初計画していなかった秋と冬の観測も実施に成功した。これは観測窓の透明度の維持が極めてうまく行えたことによる。当初の計画を超えた観測が実施できた、ということから「当初の計画以上に進展している」を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画の範囲を超えて、順調に研究がすすめられていることから、今年度も昨年度に引き続き観測を続行する。また計画に従い、取得したデータの解析を本格的に開始する予定である。また、雲レーダーのデータとの比較も開始する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] 下部成層圏のかなとこ雲2014
Author(s)
岩崎杉紀、柴田隆、久保田尚之、岡本創、石元裕史
Organizer
日本 気象学会秋季大会
Place of Presentation
福岡国際会議場
Year and Date
2014-10-21 – 2014-10-23
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