2015 Fiscal Year Annual Research Report
北極ヘイズが氷雲粒子濃度に与える影響に関するライダーとレーダによる観測研究
Project/Area Number |
25257201
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴田 隆 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70167443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 杉紀 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 応用科学群, 准教授 (30535274)
鷹野 敏明 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40183058)
塩原 匡貴 国立極地研究所, 国際北極環境研究センター, 准教授 (60291887)
白石 浩一 福岡大学, 理学部, 助教 (80299536)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 北極 / エアロゾル / 雲 / ライダー / 雲レーダー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は前年度から引き続き、Nd:YAG二波長偏光ライダーを用いた対流圏エアロゾルと95GHz雲レーダーを用いた雲の連続観測を実施した。観測は極めて順調で、装置の不具合等はほとんど発生しなかった。 2014年3月の観測開始から2015年11月までの観測結果を解析したところ、自由対流圏のエアロゾルの後方散乱係数(濃度)は2014年5,6月に極大を示し、先行研究の5月極大からほぼ一致か一ヶ月遅れている。2015年については7,8月に極大となっていて、前年に比べて一ヶ月、先行研究に比べて二、三ヶ月遅くなっている。一方、偏光解消度(非球形性)については2014年2015年ともに7、8月に極小をとっている、が秋にも極大があり半年周期を示しているようにも見える。波長比(粒径)については、2014年は6月に極小、2015年は1月と8月に極小で、これも濃度と同様に一年周期とは異なった変化を示している。 我々の観測結果で注目すべき点は、多くの先行研究(地表での観測)で例外なく明瞭に確認されている「北極エアロゾル濃度の(北極へイズによる)春季(五月)極大」が、我々が測定した自由対流圏高度では、一年目は若干遅く、二回目の春には確認できなかったことである。 この結果は、北極へイズが高度数百メートル以下の、大気境界層内を中心とした現象、であるため、高度六百メートル以上の観測結果には明確な春季極大として現れなかった、と説明し得る。しかしこのことは同時に、北極の卓越したエアロゾル成分である北極へイズが、高度数百メートル以上の上空での雲生成を左右している、とは必ずしも言えないことを示唆している。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)