2015 Fiscal Year Annual Research Report
サハラ砂漠周縁の水資源に関わる2大問題解決に向けた調査研究
Project/Area Number |
25257306
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
入江 光輝 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50451688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 健一 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00447236)
川上 智規 富山県立大学, 工学部, 教授 (10249146)
河内 敦 筑波大学, 生命環境系, 助教 (10582364)
藤 正督 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50238523)
袋布 昌幹 富山高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (50270244)
間中 淳 富山高等専門学校, 物質化学工学科, 准教授 (90413757)
古山 彰一 富山高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (90321421)
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Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2017-03-31
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Keywords | 土木環境システム / 水工水理学 / 環境材料 / 水質汚濁・土壌汚染防止・浄化 / 国際協力 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)濁水流動調査:堆砂量把握は、渡航制限により予定していた深浅測量では困難となったので、集水域情報から土砂生産量を推定するSWATモデルの上流域への適用で代替した。小規模出水時のみに着目すれば推定結果はこれまで計測した堆砂量とある程度の相関が見られた。SWAT推定結果は流域土砂生産量で、その全てが貯水池内で堆積せず、一部ダム下流側へ流される。したがって大規模出水時には底層密度プリュームとして貫入し大量放水されることが誤差要因だと考えられた。 (2) 底泥セラミックス:底泥にフッ素が含まれ、セラミックスとして焼成した際に溶出の危険性があると考え、フッ素およびその他金属の溶出試験を行った。結果として高温焼成によりフッ素等は何らかの形で結晶化され、溶出の懸念はなくフィルター等への利用にも問題ない。また、底泥製の外装作成にも取り掛かり、形状の複雑化により収縮率の大きさの影響が顕著となったがそれを克服し、浄化ユニット全体構成の目途が立った。 (3)浄化ユニット基本設計:鳥骨炭に着目し、そのフッ素除去機能を詳細に解析した。鳥骨の焼成温度・時間・雰囲気を変え、除去能力との関係性を議論した。鳥骨を焼き切って無機分のみの場合、フッ素との反応性が遅いことが明らかとなった。詳細検討は未完了だが、適正環境で骨中成分が加工され急速反応場を作り、反応時間が短縮さた可能性がある。今後、検証を進め、(2)をメディアとし、孔隙中に急速反応場を作った材料の作成を試みる。 (4)フッ素濃度簡易測定:変色法計測の代替案の一つとして、市販のパックテストの変色をモバイル端末付属カメラで色相分析して濃度をデジタル表示するシステムを開発した。これをJICA第三国研修でチュニジアおよび周辺諸国の研修生に、また国内公開講座で日本の一般人に使用させ、システムの改善に反映させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査対象とするチュニジアにおいて複数回のテロ等の政情不安があり、渡航の制限がかかったことによって現地で大規模に行う予定であった調査や現地学生によるシステム試用を規模縮小、もしくは衛星画像解析などに代替せざるを得ない状況となった。しかし、代替的なアプローチによってそれなりに研究の進展はできてはいる。また、現地での情報収集量が限られている分、共同研究者を日本に招へいするなどして補完をしている部分もある。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)堆砂量推定:今後、前年度までに構築した貯水池内の濁水流動モデルを活用してダムの貯水状況や放水によって変わる土砂排出量を推定し、それをSWATモデルによる流入土砂推定量と貯水池堆砂量との差と考える。すなわち、降雨と貯水池貯水位、放水条件などが与えられると下流への土砂排出量が貯水池モデルから求められ、その分をSWATによる土砂生産推定量から差し引いて貯水池堆砂量とすることで、その推定精度を高める。 (2)フッ素除去ユニット:作成した多孔性セラミックスに骨中に含まれる急速反応を促す成分を付随させ、HApとフッ素との反応が速やかに進行する材料の開発に取り組む。そうして開発したメディアと、多孔性セラミックスフィルターと、セラミックスでできた外装を組み合わせ、貯水池底泥を主たる原料としたフッ素除去ユニットを組み上げる。 (3)フッ素濃度簡易測定:初期のシステムでは外部の光環境が強く影響した。今後はモニター画面から採光し明度を一定化するアタッチメントを準備して改良する。
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[Presentation] Fluoride removal from well water by bone char2016
Author(s)
Tomonori Kawakami, Hikaru Miyazaki, Haruna Takahashi, Homare Yamauchi
Organizer
Tunisia-Japan Symposium on Science, Society and Technology 2015
Place of Presentation
Tsukuba (University of Tsukuba), Japan
Year and Date
2016-02-23 – 2016-02-25
Int'l Joint Research
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[Presentation] Simple Fluoride Analysis based on Smart Device2016
Author(s)
Takahiro Ichida, Atsushi Manaka, Shoichi Furuyama, Mokoto Satoda, Mitsuteru Irie
Organizer
Tunisia-Japan Symposium on Science, Society and Technology 2015
Place of Presentation
Tsukuba (University of Tsukuba), Japan
Year and Date
2016-02-23 – 2016-02-25
Int'l Joint Research
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