2014 Fiscal Year Annual Research Report
外国産ジャポニカ米の官能食味試験評価および国産米競争力分析に関する学際研究
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25257413
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊東 正一 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30222425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀爪 優 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20101248)
齋藤 文信 秋田県農林水産部(農業試験場、果樹試験場、畜産試験場、水産振興センター及び林業研, その他部局等, 研究員 (40425476)
加藤 和直 秋田県農林水産部(農業試験場、果樹試験場、畜産試験場、水産振興センター及び林業研, その他部局等, 研究員 (30503338)
松波 寿典 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (10506934)
加古 敏之 吉備国際大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00121533)
亀山 宏 香川大学, 農学部, 准教授 (70177608)
齋藤 陽子 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 特任講師 (30520796)
松江 勇次 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 学術研究員 (70598127)
南石 晃明 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40355467)
熊丸 敏博 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00284555)
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Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2016-03-31
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Keywords | 外国産ジャポニカ米 / 官能食味試験 / 国際競争力 / 国際貿易 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はカリフォルニアにおけるジャポニカ米の生産及び消費状況をより幅広く調査した。特に、当年度は加州は冬季における降雪が極端に少なく、水不足が発生し、生産面積は20%強の減少となり、その一方で市場価格は一時は精米1トン当たり1,000ドルを上回るほどに上昇した。しかし、消費の面においては、日本食ブームはその後も継続されている状況が判明した。同州内の寿司店への調査では、「今年が最も売り上げが大きかった」という店も見受けられ、今後も日本食への任期は米国では続くことが予想された。一般的に、米国でのブームが全世界にそのインパクトをもたらす。よって、日本食への世界的ブームは今後も継続することが予想される。 さらに、日本の円の為替レートが1ドル120円前後にまで安くなったこと、又、国内の米相場も低迷したことにより、海外産米の価格と比較して、相対的に安くなっている状況となった。このため、韓国の市場価格と比べ、日本産米のほうが安くなっている状況が判明した。官能食味試験によると日本産米のほうが品質的に高いため、日本産米の海外輸出が今後は大きな可能性があることが予想された。 こうした情報収集を下に、2015年2月13日に、宮崎市に於いて前年度に続き、「世界のジャポニカ米と日本産米の競争力」をテーマに中間報告会を開催した。今年度は米国、韓国、インドからそれぞれのコメ経済の著名な方々も参加し、国際シンポジウムとして開催することができた。この国際シンポジウムには当方の呼びかけに応え、日本国内はもとより米国、韓国、中国、台湾から100人を超える聴衆者が出席し、盛会であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
世界のジャポニカ米生産の状況を米国を中心としてさらに情報収集できた。また、米国における消費動向も把握することができ、今後の世界のジャポニカ米の需要を予測するうえで貴重な成果を挙げることができた。 さらに、国際シンポジウムを2月に開催し、発表をしていただいたことで、未調査であった海外の情報を得ることができた。特に、コメにおいては世界第2位の生産・消費国であるインドの状況は当該研究者だけでなく、シンポジウムの参加者にもインパクトのある情報として受け止められたようだ。海外へのネットワークを充実させる意味からも成果があった。
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Strategy for Future Research Activity |
①海外産ジャポニカ米のさらなる収集と分析、②海外ジャポニカ米産地における流通の状況の把握(特に、インド及び中国)、③海外産ジャポニカ米のランク付けと価格的評価、④国内産米の生産性向上の可能性、⑤日本産米の国際競争力に対する総合的評価、⑥日本産米の海外進出に対する障壁の同定、⑦日本産米の海外輸出シミュレーション、以上を行う。
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Research Products
(23 results)