2013 Fiscal Year Annual Research Report
西ニューギニア地域の神経変性疾患の実態と予後に関する縦断的研究
Project/Area Number |
25257507
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥宮 清人 京都大学, 東南アジア研究所, 研究員 (20253346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
E.GARCIA delSaz 高知大学, 人文社会・教育科学系, 助教 (10294828)
大崎 康史 高知大学, 医歯学系, 助教 (20294829)
小久保 康昌 三重大学, その他の研究科, その他 (60263000)
葛原 茂樹 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (70111383)
松林 公蔵 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70190494)
和田 泰三 京都大学, 東南アジア研究所, その他 (90378646)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / パーキンソン症候群 / 西ニューギニア地域 |
Research Abstract |
インドネシア、パプア州、マッピ、エデラ川沿いの村、バデ、Ia河流域の村およびケピで調査し、運動ニューロン疾患3人、パーキンソン症候群4人、運動ニューロン疾患とパーキンソン症候群の合併3人、小脳症状と錐体路徴候の合併1人を新しく診断し得た。フォローアップによる死亡者は運動ニューロン疾患の3人(1人は小脳症状合併)とパーキンソン症候群の1人であった。生存中の4人の運動ニューロン疾患、1人の運動ニューロン疾患とパーキンソン症候群の合併例と、6人のパーキンソン症候群、小脳症状と錐体路徴候の合併2人をフォローアップした。 以上より、西ニューギニア地域の神経難病は、現在も多発しており、また、パーキンソニズムと運動ニューロン疾患と認知症のさまざまな組み合わせの臨床型を示し、個人内で経過中にパーキンソニズムにALSの合併の進展を認めたり、家族内発症をみたことより、紀伊やグアムの神経難病と類似の病態である可能性が高くなった。これまでのパプアの神経難病の典型的な症例として、1.運動ニューロン疾患17例、2.パーキンソニズムとALSの合併症例13例、3.パーキンソン症候群のみ16例を、国際誌BMJ openに発表した。これまでの症例のうち、小脳症状と錐体路徴候の合併者が3人も認めたことは特筆すべきであり、国際誌への論文発表を準備中であるとともに、今後のフォローアップを要する。 インドネシア、中央高地のソロバ在住民の20歳以上、125人の検診を行い、神経変性疾患のスクリーニングとともに、血圧、血糖、脂質、脈波速度検査を行った。1999年と比較して、高血圧の頻度の上昇を認めた。脈波速度と年齢の相関を認めたが、血圧と年齢の相関を認めず、ライフスタイルの変化の影響が動脈硬化に現れ始めている可能性が示され、今後のフォローアップが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回も、現地のチェンデラワシ大学のスタッフと良い協力関係を続けながら調査を行い、新患者を10例も確認でき、13症例の生存者のフォローアップ調査と4人の死亡例の確認を行うことができた。さらに、去年からの調査地である、ケピと中央高地での調査も、順調に進んでいる。成果発表として、2001年-2012年の結果を国際誌に論文として発表することができ、現地でのワークショップを施行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、現地のチェンデラワシ大学のスタッフと協力関係を続けながら調査を行い、新患者の確認とともに、生存者のフォローアップ調査と死亡例の確認を継続する。さらに、去年からの調査地である、ケピと中央高地での調査を縦断的に行う。成果発表として小脳症状と錐体路徴候の合併例や、ドーパ反応性ジストニア症候群の論文発表を進めていく。次年度に、日本に現地の協力者を招聘し、ワークショップを開催する予定で準備中である。 今後は、神経変性疾患の原因に迫る調査として、水や毛髪の金属の分析や遺伝子調査を推進していく予定である。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Amyotrophic lateral sclerosis and parkinsonism in Papua, Indonesia: 2001-2012 survey results.2014
Author(s)
Okumiya K, Wada T, Fujisawa M, Ishine M, Garcia Del Saz E, Hirata Y, Kuzuhara S, Kokubo Y, Seguchi H, Sakamoto R, Manuaba I, Watofa P, Rantetampang AL, Matsubayashi K.
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Journal Title
BMJ Open.
Volume: 16-4
Pages: Epub
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] EIF4G1 gene mutations are not a common cause of Parkinson's disease in the Japanese population.2014
Author(s)
Nishioka K, Funayama M, Vilariño-Güell C, Ogaki K, Li Y, Sasaki R, Kokubo Y, Kuzuhara S, Kachergus JM, Cobb SA, Takahashi H, Mizuno Y, Farrer MJ, Ross OA, Hattori N.
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Journal Title
Parkinsonism Relat Disord.
Volume: Mar 18
Pages: Epub
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Environmental characteristics and oxidative stress of inhabitants and patients with amyotrophic lateral sclerosis in a high-incidence area on the Kii Peninsula, Japan.2013
Author(s)
Kihira T, Okamoto K, Yoshida S, Kondo T, Iwai K, Wada S, Kajimoto Y, Kondo T, Kokubo Y, Kuzuhara S.
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Journal Title
Intern Med.
Volume: 52(13)
Pages: 1479-1786
Peer Reviewed
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[Journal Article] Clinical features and a mutation with late onset of limb girdle muscular dystrophy 2B.2013
Author(s)
Takahashi T, Aoki M, Suzuki N, Tateyama M, Yaginuma C, Sato H, Hayasaka M, Sugawara H, Ito M, Abe-Kondo E, Shimakura N, Ibi T, Kuru S, Wakayama T, Sobue G, Fujii N, Saito T, Matsumura T, Funakawa I, Mukai E, Kawanami T, Morita M, Yamazaki M, Hasegawa T, Shimizu J, Tsuji S, Kuzuhara S, et al.
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Journal Title
J Neurol Neurosurg Psychiatry
Volume: 84(4)
Pages: 433-440
DOI
Peer Reviewed
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