2013 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニティの参画した新しい放射線教育のための放射線指導パッケージの開発
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25282042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松田 尚樹 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 教授 (00304973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 登 長崎大学, 教育学部, 教授 (60274510)
鈴木 啓司 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (00196809)
高村 昇 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (30295068)
森田 直子 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 技術職員 (90380972)
熊谷 敦史 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (40448494)
菓子野 元郎 大分大学, 医学部, 准教授 (00437287)
小野 孝二 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (10611171)
北 実 鳥取大学, 生命機能研究支援センター・助教, 助教 (60359875)
福徳 康雄 鹿児島大学, 自然科学教育研究支援センター, 准教授 (20181290)
角山 雄一 京都大学, 放射性同位元素センター, 助教 (90314260)
島崎 達也 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助教 (60264248)
小野 俊朗 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 教授 (50185641)
三好 弘一 徳島大学, アイソトープ総合センター, 教授 (90229906)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 科学教育 / 放射線教育 / リスクコミュニケーション |
Research Abstract |
東京電力福島第一原子力発電所事故(福島原発事故)以降、市民や生徒に対する放射線教育の目的は、従来の「放射線リテラシーの向上」から、「放射線とその影響の正しい理解に基づく安心」へと広まっている。本研究では、従来の教員のリテラシー向上を介した新学習指導要領に基づく学校教育の着実な推進に加えて、コミュニティスクールや地域保健を巻き込んだ新しい形の市民への放射線教育を目指し、教員の他、多彩な教育・コミュニケーション担当者が高品質の授業や情報を提供できるようにする「放射線指導パッケージ」を、基礎放射線学、放射線生物学、放射線医学、および放射線安全管理学の専門家が学際的共同体制のもとで開発する。 平成25年度は(1)既存の教育コンテンツの調査・解析、(2)教育現場、リスクコミュニケーション現場の調査、解析、(3)パッケージの設計図決定を予定とおり実施した。まず(1)については14名の研究分担者、および一般に公開されている教育資料を取り纏めて分類し、現在のコンテンツに欠けているものとして、①メッセージ性(なぜ放射線教育なのか?)、②自分で考える仕組み(例えば課題解決型アクティブラーニング)、③情報のバランス感(特定の考え方を誘導しない)、④手法パッケージ(教え方の例示、小道具類)の4つが浮かび上がった。(2)については、研究分担者が実施、関与している現在進行中の放射線教育の場においてアンケート調査を実施、現在解析中である。(3)については設計図としてポータル(入口)パッケージ、および概説(導入)パッケージから目的に応じたセクションパッケージを組み合わせるユニット構造とし、セクションとして基礎放射線、放射線生物学、核医学、医療放射線リスク、放射線防災、放射線疫学、緊急被ばく医療、放射線ヒストリー、環境放射線、エネルギー、自然放射線、放射線教育効果判定、教育メソッドを盛り込むことまで決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
14名という多数の分担研究者であるがメールでの情報、データ交換と研究会議により意思疎通は順調であり、かつ各研究分担者がさまざまな場所でさまざまな立場の受講者を対象とした進行形の教育を抱えていることから問題点の抽出も迅速に行うことができた。そして本研究の遂行により、各分担者の放射線教育方針にも幅の広がりがみられ、実際に学外コミュニティで使用したいパッケージとして基本骨格案が出来上がった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度はセクションパッケージを分担作成し、試用を開始する。その推進のため、これまで以上に14名の連絡連携を密にし、既存のものも含めてパッケージに組み込むことのできる資料は共通保存庫としてクラウド(サイボウズLiveを予定)を使用して保存し、コンテンツの相互使用を容易にして各分担者によるパッケージ作成を支援する。また各分担者のアンケート調査結果についても同様に共有化する。各分担者の教育の相互乗り入れも可能な限り行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定であった放射線測定器の一つが別予算で購入できたことと、資料整理のための人員に他のテーマの研究補助員をできる限り流用したことにより、物品費と人件費・謝金にに次年度使用額が生じた。 主として平成26年度の資料整理、構成および教育コンテンツ作成補助のための人件費として使用する。
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Research Products
(15 results)