2013 Fiscal Year Annual Research Report
生物多様性保全を目的とした国際・国内連携による新たな市民科学の確立と環境教育実践
Project/Area Number |
25282044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
小堀 洋美 東京都市大学, 環境学部, 教授 (90298018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 紀子 東京都市大学, メディア学部, 教授 (70328566)
中村 雅子 東京都市大学, メディア学部, 教授 (00217895)
北村 亘 東京都市大学, 環境学部, 講師 (30709861)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 市民科学 / 生物多様性 / 国際連携 / 現地調査 / インタビュー / webシステムの構築 / 国際シンポジウム |
Research Abstract |
新たな市民科学の台頭は1)環境科学、2)環境教育、3)地域連携による生物多様性と環境の保全に大きな変革をもたらすことが期待されているが、日本ではこの分野の進展はほとんど見られていない。本研究では、日本において新たな市民科学を構築することを目的とし、本年度は研究計画に基づき以下の課題を実践した。1)プロジェクトの組織化と運営 2)市民科学に関する海外の既往研究、優れた事例研究の抽出:2013年米国で開催された市民科学の学会や2013年と2014年の北米環境教育学会に参加・ 発表して得た情報や市民科学の書籍を通じて、米国の市民科学の事例を詳細に検討した。また、2014年3月にCornell大学のLab. Ornithology(CLO)とCalifornia Academy of Science,NPOの現地調査やインタビューを行い、米国の優れた事例の詳細を明らかにした。 3)米国学会での日米の市民科学のシンポジウムの企画・実施:2013年に米国(Boltimore)で開催された北米環境教育学会において、市民科学の成立要 件と課題把握を目的として、米国と日本の関係者によるシンポジウムを企画実施した。 4)市民科学の確立と国際シンポの開催:米国での市民科学の発展に先導的な役割を果たしてきた米国の市民科学研究の第一人者であるCLOのJanis Dickson教授を2014年3月に日本生態学会と連携して招聘し日本での市民科学の確立を目的とした国際シンポを開催した。 5)市民が情報を収集できるwebシステムの構築:従来のシステムを改良することにより精度保証や情報の集積を可能とするwebシステムを構築した。 6)日本の環境NGO・行政との協働による市民科学確立のための国内ワークショップの開 催:新たな市民科学への移行を可能とするための国内ワークショップを開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載した以下の研究目的はほぼ達成したため、順調に進展していると評価できる。 1)プロジェクトを推進するための体制を確立した。 2)市民科学に関する海外の既往研究、優れた事例研究を抽出するために書籍、米国の学会参加、現地調査、インタビューを行った。 3)研究代表者は米国学会での日米の市民科学のシンポジウムの企画に中心的な役割を果たし、シンポの目的を達成した。 4)米国の市民科学研究の第一人者を日本生態学会との連携により招聘し、市民科学の確立を目的とした国際シンポを開催した。 5)データの精度保証を可能とする市民科学のweb構築をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
国内外の研究体制を確立したため、それに基づき研究目的を達成する。 今後は構築したwebシステムの運用、市民科学のプロジェクトの実践を可能とする効率的は方策を模索しつつ、目的の達成を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は構築した情報システムの運用と多様な空間スケールの市民科学のプロジェクトを実施する予定となっており、これらの実施に当たっては、事前の申請段階では予算額を確定しにくい項目が多く、学術研究助成基金助成金はこれたに当てる予定であったため。 平成26年度に実施予定の3つのプロジェクトのうち以下のプロジェクトに使用する予定である。 1.構築した情報システムの運用:構築したシステムの維持管理および市民、学生へのアンケート等の経費に使用する予定である。2.環境教育プログラムの実践:プログラムの実践にあたっては教材開発およびフィールド調査に必要な機材を購入する必要があるため。
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Research Products
(11 results)