2014 Fiscal Year Annual Research Report
論理的文章を推敲する力を涵養するFlip Education環境の構築と評価
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25282060
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
椿本 弥生 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (40508397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 篤 国立研究開発法人情報通信研究機構, ユニバーサルコミュニケーション研究所, 主任研究員 (10402801)
岩倉 裕子 (大塚裕子) 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (10419038)
Ruthven Stuart 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (40278148)
柏野 和佳子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語資源研究系, 准教授 (50311147)
Dominic Bagenda 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (90552050)
冨永 敦子 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (60571958)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 論理構成の推敲 / 反転学習 / eラーニング / 修辞構造理論 / ブレンド型学習 / コーパス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「論理構成を推敲する力」の育成と,その育成方法の汎用化である.そのために,(1)学術的文章の産出と推敲の方法を学べるオンライン教材,および(2)学習者の文章の論理構成の情報を自動的に学習者にフィードバックすることで,学習者自身による反復推敲を支援するツールの開発,を行う. 1.オンライン教材の開発:2013年度より,本学1年生の必修科目であるアカデミック・ライティングの講義を実践の場として設定し,基礎事項の解説動画やそれに対応する演習などのオンライン教材を作成している.昨年度は,15回の対面講義に関してeラーニング33本を開発した.授業アンケートを実施したところ,「eラーニングが学習に役立った」という解答は,全228件中202件(88.5%)であった.自由記述では,「eラーニングのおかげで,もやもやしていたところが理解できた」「eラーニングは家で好きな時に見れるうえに,聞き逃した場面も戻ることができるので助かりました」といった感想が寄せられた. 2.学習者の文章の論理構成の情報を自動的に学習者にフィードバックするツールの開発:前年度までに,論理的文章の評価指標として28 件のルーブリック項目を作成済みである.これらの項目から文章の論理構成に関わる項目を抽出するとともに,理論的基盤として修辞構造理論(Mann and Thompson 1987)を参考にして,学習者に対して推敲材料として提示すべき情報を整理し,アウトラインに対する論理構成タグを設計した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オンライン教材の開発は,講義の進捗に合わせて順調に開発している.また,論理構成フィードバックツールについては,収集したデータのタグ付けの仕様を開発中であり,仕様が完成したらタグ付け作業に入ることができる.タグ付けのための専門的知識を持つ作業者は,国立国語研究所経由で確保済みである.
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Strategy for Future Research Activity |
1.オンライン教材の開発:学術的文章の読解.産出・推敲の技法に関する反転学習教材を開発する.教材は,論理的な文章の要であるアウトラインの作成と推敲に関する内容を中心とする.それ以外にも,アウトラインから初稿を作成する方法,推敲の方法,推敲した結果を吟味する方法などについて,解説動画と理解度確認テストをセットにして開発を行う.「科学技術リテラシ」の2016年度の講義期間中(4月から7月)中に,全教材の開発を完了させる. 2.学習者の文章の論理構成の情報を自動的に学習者にフィードバックするツールの開発:収集したテキストデータに対して,次の3 ステップで論理構成タグを付与する.(1)全データの3割程度に対してタグ付けのパイロット作業を行い,タグ付与の条件とタグの種類に関する指針をマニュアルにまとめる.(2)外注により全データに対してタグを付与する.(3)タグの漏れおよび誤りを精査し,論理構成タグ付きコーパスとする.タグ付きコーパスが一定量構築された時点で,このコーパスからの機械学習に基づいて,学生が作成する任意のアウトラインに対して論理構成を自動推定するツールを開発する.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:テキストデータの収集に時間を要したため,論理構成タグの付与作業が遅延した.その結果,タグ付けの人件費が発生しなかった.したがって,人件費に関して次年度使用となった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
使用計画:次年度は,テキストの収集を完了させ,論理構成タグの付与およびコーパス開発を行う.繰越費用は,タグ付与で生じる人件費に充てる.
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Research Products
(6 results)