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2015 Fiscal Year Annual Research Report

聴覚障害学生の視線特性分析に基づいた利用者中心の字幕開発研究

Research Project

Project/Area Number 25282063
Research InstitutionOsaka Ohtani University

Principal Investigator

大倉 孝昭  大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (50223772)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中野 聡子  国立民族学博物館, 民族社会研究部, 外来研究員 (20359665)
金澤 貴之  群馬大学, 教育学部, 教授 (50323324)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
Keywords聴覚障害学生 / ビデオストリーミング / 字幕 / 非言語情報 / 情報補完字幕
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,TV番組における非言語情報に着目し,字幕に補完する非言語情報の種類・提示方法について検討した.それをもとに,多様な聴覚障害者がブラウザ上で①話者交代情報(吹き出し,話者別文字色),②発話内容の強調,③イラストを自ら選択し,映像に重畳して視聴する方法で,問題解決することを目標にした.視聴者側で補完情報を個別に制御できる「情報補完字幕視聴システム」を開発し,6種類の字幕付き映像を用いて評価実験を行った.被験者は聾学生(両耳90dB以上,聴覚特別支援学校の在籍歴を有する者)とし,複数大学に推薦の協力を依頼した.
事前アンケート,視線計測実験,字幕に対する順位評価,事後アンケートの結果から,次のことが判った.
1.日常の主要なコミュニケーション手段と得意な言語(手話または日本語)は必ずしも一致しない.2.バラエティ番組をよく視聴する聾学生では,ニュース番組の字幕より満足度が低かった.3.補完情報なし字幕と情報補完字幕(すべてあり)の視線停留時間を比較したところ,情報補完字幕の字幕領域への視線停留時間の方が長くなることが判った
4.「字幕を読まない」「字幕は最小限の文字情報で十分」とる被験者の存在が判った.5.総合順位評価の結果から,「漫才を見るのにふさわしい字幕」は発話の意図を文字サイズで強調するタイプが最もふさわしいことが判った.6.イラストによる効果を選好する群,文字サイズの効果を選好する群,色の効果を好まない群が見られた.7.文字色による強調効果は,話者交代と混同され易いので評価が低かったことが判った 8.補完情報すべてありの字幕は「臨場感が伝わり易い」という点では最高点であったが,「話者の表情を見る余裕がある」「字幕そのものが見易い」という観点で低く,全体の評価が低くなったことが判った.9.95.2%が情報補完字幕視聴システムが有効であると評価した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

聾学生を対象にしたメディア視聴実験は想定どうりの成果をあげた.しかし,障害程度の幅を広げること,年齢層を下げた研究ができていない.

Strategy for Future Research Activity

大学生向け実験計画(番組の内容・時間・実験時間等)のままでは,聴覚特別支援学校(聾学校)の生徒(高校生以下)には負担が大きすぎるとの指摘があり,実験ができていない.
コンテンツの見直し,実験手順の簡略化,アンケート項目の見直しなど,聾学校の現場教員と協議を重ね,聾学校生徒向けの実験デザインを提案して,聾学校向けの情報補完字幕視聴システムで貢献を進めたい.

Causes of Carryover

聾学生を対象にしたメディア視聴実験は想定どうりの成果をあげた.しかし,障害程度の幅を広げること,年齢層を下げた研究ができていない.

Expenditure Plan for Carryover Budget

大学生向け実験計画(番組の内容・時間・実験時間等)のままでは,聴覚特別支援学校(聾学校)の生徒(高校生以下)には負担が大きすぎるとの指摘があり,実験ができていない.
コンテンツの見直し,実験手順の簡略化,アンケート項目の見直しなど,聾学校の現場教員と協議を重ね,聾学校生徒向けの実験デザインを提案して,聾学校向けの情報補完字幕視聴システムで貢献を進めたい.

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Published: 2017-01-06  

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