2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25282079
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Research Institution | Lake Biwa Museum |
Principal Investigator |
篠原 徹 滋賀県立琵琶湖博物館, 館長 (80068915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 浩之 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 准教授 (40159562)
井上 透 岐阜女子大学, 文化創造学部, 教授 (30370993)
金山 喜昭 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (90350206)
佐久間 大輔 大阪市立自然史博物館, 学芸課, 主任学芸員 (90291179)
杉長 敬治 国立教育政策研究所, フェロー (60440103)
戸田 孝 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 専門学芸員 (90359266)
濱田 浄人 国立歴史民俗博物館, 管理部, 博物館事業課長 (80280519)
松田 征也 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 総括学芸員 (00359267)
桝永 一宏 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 専門学芸員 (50344346)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 博物館経営学 / 総合的全国調査 / 市民参画 / 指定管理者制度 / 少子高齢化時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に実施した「博物館総合調査」の結果を館種別と設置者別に集計した基本データ集を作成すると共に、いくつかの観点に着目した分析を行った。具体的には、学芸系職員の年齢構成に偏りが見られること、若い世代を中心に有期雇用者が増えていること、博物館の経営力が保有資源(特に人的資源)と密接に関連しており、その資源と事業成果が館規模上位2割の館に集中していることを明らかにした。また、ICT化が遅延していると多くの博物館が認識していること、SNSの普及はまだ少ないが導入館では入館者数増などの効果が見られることを明らかにした。さらに、地震対策などの機器管理は遅延していることを明らかにした。 以上の結果を踏まえて、博物館の現代的課題の解決に資するために3つのテーマ研究を進めた。まず市民参画に関するテーマについては、「博物館総合調査」の結果分析と独自調査を併用した検討が進められ、友の会やボランティアの存在率が前回よりも高まっていること、特に友の会については実態や博物館側の理解などが多様であり、類型ごとにその特徴や背景を整理検討できることが明らかになった。指定管理者制度に関するテーマについては、NPOが指定管理者になっている事例についてのアンケート調査およびヒヤリング調査により、多くのNPOが創意工夫により精力的に活動している一方で、その成果が報われない仕組みになっていることが多いという実態が明らかになった。少子高齢化時代に求められる新しい手法の開発に関するテーマでは、ヨーロッパおよびオセアニアにおける既存の先進事例調査の成果を踏まえて、近隣諸国における状況調査を行い、今後の展開に向けた条件を整理した。 以上の成果は、一部を除いて研究成果報告書に取りまとめ、印刷して関係者に送付すると共に、基本データ集と併せてWeb上でも公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査に活用した電子ネットワーク環境を利用して、その成果物である基本データ集や研究報告書などの電子的公開も行うことにより、成果公表にかかる労力を軽減することができた。その結果、調査や分析に注力し、研究成果を広く周知することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
調査や分析の途上にある課題について、引き続き計画を遂行すると共に、成果をシンポジウムなどの形で公表し、さらに議論を深めることで理解を深めていく。
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Causes of Carryover |
予定していた現地調査のうち海外調査の一部を次年度に延期した。また、研究分担者同士の連絡調整や意見交換に電子的手段を効果的に活用できたため、実際に参集して会合を開催する必要が予定より減少した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
延期することにした海外調査を予定通り実施すると共に、その他の現地訪問調査やシンポジウム開催に必要な旅費に充当し、各活動の充実を図る。
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Research Products
(12 results)