2014 Fiscal Year Annual Research Report
加齢および廃用性骨萎縮における骨代謝の神経性調節の解明
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25282163
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山本 智章 新潟医療福祉大学, ロコモティブ症候群予防研究センター, 副センター長 (30445902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 秀明 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (90339953)
田巻 弘之 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (40253926)
桐本 光 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (40406260)
與谷 謙吾 鹿屋体育大学, その他部局等, 講師 (10581142)
高橋 英明 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (90636250)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 老化 / 神経 / 骨代謝 / 不動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度においては、加齢や不動による骨内支配神経の分布変化を検討することを目的とした。そのため、実験動物には高齢期ラット及び下肢不動モデルラットを作成して実験に用いた。高齢期ラットは1.5年齢から2年齢以上のラットを用い加齢性骨減少のモデルとし、また坐骨神経を除神経手術して不動モデルを作成し、不動による骨萎縮のモデルとした。昨年度の若齢ラットを対象としたケースと同様に、採取した脛骨及び大腿骨は3次元マイクロCT撮影を行い、骨量および構造解析のデータを得て、内部の微細構造可視化と定量化を行った。また骨の強度測定として破断試験機を用いて3点曲げ試験による骨破断強度を計測した。不動および加齢による海綿骨骨梁構造は骨梁幅、骨梁数、骨梁連結密度が有意に低下しており、骨梁間距離が有意に増大していた。骨量のネットワーク構造が疎になっていることが示唆された。一方、皮質骨構造においては、不動初期では皮質骨面積、外径等の構造パラメータに有意な差はなく、構造以外の因子が骨強度低下に影響したものと推察された。 また、免疫染色や蛍光顕微鏡観察、神経線維イメージングと定量化を実施し、加齢や不動による感覚線維等の神経分布密度の変化について検討した。 骨内神経のイメージングとして採取した脛骨組織から顕微鏡観察用の試料を作成し、骨髄を含む脛骨近位端骨梁エリアを対象にNF200、CGRP、TRPV1の各種神経マーカー抗体で神経線維を免疫染色した。これらは皮質骨領域だけでなく骨髄・骨梁領域においても神経走行が確認され、感覚神経の分布が認められた。除神経による不動の場合、対側と比較して感覚神経走行密度が有意に低下しており、感覚神経の分布変化と海綿骨量の変化に関連性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的(H26年度)に挙げた、高齢期および不動モデルラット下肢骨の3次元糊料構造解析、骨強度計測、骨組織採取、免疫組織化学による骨内神経線維の蛍光観察に関する実験は成功し、データの一部は国内外の学会で発表でき、当初の目的を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、高血圧や糖尿病などの動物を用いて、骨内神経支配の様相に対する代謝異常の影響を検討していく。交感神経線維の支配密度が変化する時期の同定など、骨量低下、骨代謝の亢進と神経支配の変化時期との関連性について検証していく。そのため免疫組織化学による神経線維のイメージングと3次元マイクロCTによる骨内部構造のイメージングの手法を今後も併用していく方策である。
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Causes of Carryover |
購入予定していた解析装置の制御プログラムが今年度内も調整が完了せず、代替となる機器を購入し、その差額分を次年度に使用して当該機器の購入に使用する計画であるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額を用いて、解析装置の購入をする計画である。
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Research Products
(7 results)