2013 Fiscal Year Annual Research Report
24時間の脂肪酸化に及ぼす運動の影響:運動後の代謝亢進を考慮した間接熱量測定
Project/Area Number |
25282215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
徳山 薫平 筑波大学, 体育系, 教授 (00207565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻見 直美 筑波大学, 体育系, 准教授 (10300005)
緒形 ひとみ 筑波大学, 体育系, 日本学術振興会特別研究員(RPD) (80455930)
鍋倉 賢治 筑波大学, 体育系, 教授 (60237584)
佐藤 誠 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50242409)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヒューマン・カロリメータ / 生活習慣 / 肥満 / 朝練習 / 脂肪酸化 |
Research Abstract |
運動を行うタイミングが24時間のエネルギー代謝に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、①早朝空腹時の運動は他の時間帯に行う運動に比べ、24時間の脂質酸化を増大させる、②早朝空腹時の運動は非運動日と比べ24時間の脂質酸化を増大させるという仮説を立て、健常男性11名を対象として検討した。被験者は最大酸素摂取量の50%強度で60分間の自転車運動を朝(6:30)、午後(14:30)あるいは夜(20:30)に行い、運動を行わない試行と合わせた4条件下での24時間の脂肪酸化をヒューマン・カロリメータを用いてエネルギー代謝を測定した。食事は推定エネルギー消費量と同量の食事量を提供した。 運動中及び24時間のエネルギー消費量は運動を負荷した3試行間で同程度であった。運動中及び24時間の脂質酸化量は朝運動試行で有意に高かった(朝:719±60、午後:446±57 、夜:432±44、非運動:456±61 kcal/24h)。基質酸化の経時変化と食事から摂取する栄養素から、体内エネルギーや体内基質貯蔵量バランスの経時変化を推定した。4試行とも24時間のエネルギーバランスは釣り合うように食事摂取量が調整されていたが、朝食前に行う運動は他の運動条件に比べて一過性にエネルギーバランスを負傾けることが示された。 エネルギーガランスが一過性に負となる時間帯に脂肪酸化が亢進すると共に、24時間の脂肪酸化亢進を持続させる機序も作動すると考えている。その候補としては、1)負のエネルギーバランスはグリコーゲンの枯渇を伴うが、運動後は食事由来の炭水化物がグリコーゲン再補充に優先的に用いられるため、炭水化物酸化の抑制とそれを補う脂肪酸化の亢進が持続する。2)グリコーゲンに結合していたAMPキナーゼなどの代謝調節因子がグリコーゲンの枯渇と共に細胞内分布を変え遺伝子発現が変化し、脂肪酸化関連の酵素活性が上昇する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予想していた「朝食前の運動は24時間の脂肪酸化量を増大させる」という仮説に沿った結果を男性被験者で得ており、英文誌への投稿を準備している。従って、この現象が女性被験者においても観察できるか否かという次年度の研究も有意義な研究課題ととなっていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度には男性を被験者として、運動を行うタイミングが24時間のエネルギー代謝に及ぼす影響を検討した。予想したように、①早朝空腹時の運動は他の時間帯に行う運動に比べ、24時間の脂質酸化を増大させる、②早朝空腹時の運動は非運動日と比べ24時間の脂質酸化を増大させるということを示す事ができた。平成26年度は女性を被験者として検討する。先行研究においては女性は男性に比べて、1)同じ相対強度運動では脂肪酸化量が多い、2)運動介入による体脂肪減量の効果は小さい ということが報告されている。従って、運動後の脂肪酸化亢進が女性では少ない可能性が指摘されていた。 健常女性10名を対象として、最大酸素摂取量の50%強度で60分間の自転車運動を朝(6:30)行う場合と運動を行わない2条件下での24時間の脂肪酸化をヒューマン・カロリメータを用いてエネルギー代謝を測定する。食事は推定エネルギー消費量と同量の食事量を提供し、24時間のエネルギーバランスは釣り合った条件で2試行を比較する。女性を被験者とした測定は卵胞期に揃えて行うために、試行間を約1ヶ月空ける必要があり、男性同様に4試行の実験計画を立てると、その間の季節変動や被験者の生活が変化する心配があるので、2試行の比較に止め、朝食前の運動が脂肪酸化に有効であり、運動を行わない場合に比べて脂肪酸化量が増えるか否かに絞って検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ヒューマン・カロリメータ(エネルギー代謝測定室)の床補修工事等で実験機器が使用できない期間があり、一部の実験を次年度に持ち越したため。 次年度に延期した実験の費用(試薬購入、データ解析謝金、被験者謝金など)にあてる。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Timing of exercise relative to meal ingestion affects 24 hours fat oxidation.2013
Author(s)
Iwayama K., P.Insong, R.Kawabuchi, R.Kurihara, M.Kobayashi, H.Masanobu, S.Yamaguchi, Y.Nabekura, H.Ogata, N.Omi, K.Tokuyama.
Organizer
Obesity week 2013
Place of Presentation
Georgia World Congress Center,Atlanta, USA
Year and Date
20131113-20131116
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[Presentation] Effects of exercise on 24-h fat oxidation depend on when it is performed.2013
Author(s)
Kumpei Tokuyama, Kaito Iwayama, Reiko Kurihara, Ryousuke Kawabuchi, Insung Park, Hitomi Ogata, Nana Kurosawa, Masashi Kobayashi, Kazuteru Nakamura, Yoshiharu Nabekura.
Organizer
5th International Sports Science Congress in Memory of the 1988 Seoul Olympic Games.
Place of Presentation
Suwon University, Suwon, Korea
Year and Date
20130822-20130823
Invited
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[Presentation] Effects of exercise on 24-h fat oxidation depend on when it is performed.2013
Author(s)
Kurihara.R, K.Iwayama, H.Ogata, I.Park, R.Kawabuchi, Y.Nabekura, M.Kobayashi, S.Yamaguchi, M.Hibi, K.Tokuyama. 1
Organizer
9th Annual Congress of the European College of Sport Science.
Place of Presentation
National Institute of Physical Education of Catalunya,Barcelona, Spain
Year and Date
20130626-20130629