2013 Fiscal Year Annual Research Report
南アジアの移住商人(マールワーリー)の研究:実体と表象への学際的アプローチ
Project/Area Number |
25283007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中谷 純江 鹿児島大学, 国際連携推進センター, 准教授 (30530034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 さやこ 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00296732)
小松 久恵 追手門学院大学, 国際学部, 講師 (80552306)
豊山 亜希 国立民族学博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (40511671)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 移住 / 商人 / 南アジア |
Research Abstract |
本研究は、「マールワーリー」とよばれるインド・ラージャスターン地方出身の移住商人(migrant traders)を研究対象とする。一地方出身の商人たちが全インドの商業・金融業を掌握するようになり、インドを代表する産業資本家へと成長していく時期、同時に彼らの生活やビジネスの拠点が故郷から移住先社会へと重心を移す時期、すなわち20世紀初頭に焦点をあてる。複数の南アジア地域研究者が各自のディシプリンを用いて、学際的研究をおこなうことにより、地域社会における移住商人のプレゼン(存在や影響力)を実体と表象の両側面から多元的に捉えること、移動を生業とする者からみた地域社会(出身地と移住先)、複数の地理的空間に広がるネットワーク、彼ら特有の「ロカリティ」のあり方を考察することが本研究の目的である。研究初年度にあたる本年は、問題意識の共有と相互の研究内容への理解を深めることを目的に、共同研究会を2回(7月と2月)開催した。さらに、各自研究者が個別の課題について、現地予備調査を実施した。2回目の研究会では、メンバーによる研究報告だけでなく、中国の移住母村を研究対象とする人類学者を講師として招聘し、共同研究に比較の視点を導入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時よりも交付金額が減額されていたため、現地調査の回数を減らさざるをえなくなり、予定通り研究を実施することが難しくなった。しかし、別の資金を利用したり、分担者の協力によって、おおむね期待していたところまで研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目に入る今年度は、共同研究会2回の開催と各自研究者による現地本調査を予定している。研究会を2回行い、メンバー全員が個別課題について成果報告をすませ、各自の成果を統合することで、マールワーリー・プレゼンスを多元的に明らかにするという本共同研究の目的に対して、おおよその見通しを得ることができるところまでもっていく。海外から、同じ分野を研究している専門家を意見交換のために招聘したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に交付が予定されている金額が、計画当初の予定金額よりもかなり減額されており、調査を予定通り行うことが困難になった。このため、初年度の経費を可能な限り削減し、次年度にまわすことにした。 調査旅費として使用する。
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