2014 Fiscal Year Annual Research Report
社会主義中国の憲政論・憲政体制を再考する――20世紀中国憲政史の視角から
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25283011
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
中村 元哉 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (80454403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 亨 信州大学, 人文学部, 教授 (10143520)
加茂 具樹 慶應義塾大学, 総合政策学部, 准教授 (30365499)
小野寺 史郎 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (40511689)
水羽 信男 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (50229712)
村田 雄二郎 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (70190923)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中国 / 憲政 / 香港 / 人民共和国 / 民主評論 / 自由陣線 / 人民代表大会 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の主たる活動は、次のとおりである。水羽信男「第1回全国人民代表大会と中国民主建国会」、中村元哉「戦後香港における憲政論の背景――1950年代から1970年代を中心に」、小野寺史郎「清末民初のミリタリズムとその課題」、および、国際Workshop(香港樹仁大学本部棟、2015年3月14日)での區志堅(香港樹仁大学)「香港為中心的跨區域表述──五十年代『自由陣綫』批評國共及歐美政策的言論」、加茂具樹「全國人民代表大會的政治機能與其可能性」である。 今年度の活動のねらいは、1950年代の憲政史を民国憲政史の視点から考察して現代中国理解へと発展させると同時に、1950年代から1970年代の香港の視点を重視することで、大陸中国と台湾と香港との多角的な関係性を分析し、戦後香港史を中国近現代憲政史のなかに定位することであった。つまり、1949年に民国から大陸中国、台湾、香港へと分散した歴史的流れのうち、民国と香港との関係性を重点的に考察して、香港から大陸中国と台湾の憲政史を再考することに重点をおいた。 これらの研究活動から、戦後香港の憲政思想が国民党内の反蒋介石派や青年党、民社党系の知識人によって担われ、戦後台湾とは協調と対立を繰り返しながら、次第に独自の動きを活発化させていったことが分かった。代表的な政論誌は、『民主評論』、『自由陣線』、『自由人』、『聯合評論』、『自由報』、『七十年代』であることも分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に作成した研究計画をほぼ達成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画どおり三年目の夏に国際シンポジウムを開催し、共同研究の成果として論文集の刊行をめざす。
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Causes of Carryover |
本科研が共催した国際会議が年度末におこなわれ、その諸経費を次年度に処理することになった為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
共催した国際会議でかかった謝金や交通費などに使用する。
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Research Products
(18 results)