2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25283012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長與 進 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (40172564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家田 修 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (20184369)
中澤 達哉 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (60350378)
飯尾 唯紀 城西大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80431352)
神原 ゆうこ 北九州市立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50611068)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 民族共生 / ドナウ中流域 / EU統合 / ハンガリー / スロヴァキア |
Research Abstract |
我々の科研課題遂行の第1年目にあたる2013年度は、東京(2013年6月1日)と札幌(2014年3月30日)で計2回の共同研究会を開き、各自の研究課題の進捗状況を報告して、相互に情報交換と情報提供を図った。年度内に3名のメンバーをスロヴァキアに派遣して、現地の研究者との意見交換や学術的コンサルテーション、関係機関(大学、研究所、行政機関、民族団体本部など)の訪問、図書館や文書館での資料収集に従事した。長與(研究代表者)は2013年8月16日から31日までおもにブラチスラヴァに、神原ゆうこ(研究分担者)は9月2日から28日まで同じくブラチスラヴァに、中澤達哉(研究分担者)は2014年2月28日から3月6日までコマールノに滞在して、上述の課題を遂行した。その際中心になったのは、第2年度(2014年)9月にコマールノのシェイェ大学で開催を予定している国際ワークショップの準備作業である。年度末の3月に英文論文集 Transboundary Symbiosis over the Danube: EU integration between Slovakia and Hungary from a local border perspectiveを刊行した。これはテーマ的に本科研に直接に先行する共同研究の成果報告集であり、本科研のメンバー5名全員が寄稿している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
第1年度の活動は、「交付申請書」に記入した内容に基づき、それを忠実に遂行した。先行する共同研究の成果をまとめた英文論文集の刊行が本年度にずれこんで、本科研の最初の成果になったことは「想定外」であるが、今後の本科研の研究展開にとって大きな弾みとなる業績である。この論文集を提示することで、我々の科研に対する現地の理解がいっそう得やすくなった。本科研の終了(2018年3月)までにさらに2冊の同内容の英文論文集の刊行を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度(2014年)は「交付申請書」に記したように、7月5日(予定)に東京で国際ワークショップ準備会を行い、夏期に5名のメンバー全員が渡航して、共同の現地調査旅行を行なう。期間は9月7日から16日までの10日間(予定)、訪問先としてはスロヴァキアでは中部地域に焦点を絞り、コマールノ、ノヴェー・ザームキ、シトゥーロヴォ/エステルゴム(後者はハンガリー領)などを、ハンガリーでは、スロヴァキア系少数民族が集中して居住している南部のベーケーシュ・チャバとブダペシュトを予定し、現地の自治体の長、議員や民族団体役員へのインタビュー調査を行う。あわせてコマールノのシェイェ大学で第2回国際ワークショップを開催する(9月12日を予定)。今回のワークショップでは本科研のメンバー5名が全員報告するほか、ハンガリー側からはラースロー・サルカ、バルナバーシュ・ヴァイダとさらに宗教関係の研究者(人選は未定)を、スロヴァキア側からはドゥシャン・コヴァーチ、シチェファン・シュタイ、ガブリエラ・ドゥデコヴァーの3名の歴史家(スロヴァキア・ハンガリー関係の専門家)を招聘し、スロヴァキアとハンガリーの研究者の対話の場としての意味も持たせる。ワークショップの成果は、第1回の場合と同様、年度末(2015年3月)までに英文報告集として刊行し、我が国の関係諸大学と諸機関・団体に配布するだけでなく、スロヴァキア、ハンガリーなど諸外国の関係諸大学と諸機関・団体にも送付する。年度末の3月に福井で共同研究会を開いて、本科研プロジェクトの進行状況を点検し、2015年8月に千葉幕張で開催される ICCEES (International Council for Central and East European Studies) のパネル参加に向けた具体的準備作業にも取り掛かる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度に購入予定であった物品(マイクロフィルム Ceskoslovensky dennik, 1917-1920, 3 reels)が予定より早く業者より納品されたが、研究課題遂行上で不可欠の貴重な資料であるため、早急に閲覧する必要があり、平成25年度に購入した。そのため平成26年度の予算から20万円を、前倒し支払請求した。 本年度(平成26年度)に交付される金額はその分減少するが、同年度には減額後でも279万4056円の支給が予定されているので、研究課題の遂行上に大きな問題は生じない。なお同上の物品を購入する長與(研究代表者)は、次年度の研究分担者とのあいだでの物品費の配分の際に、自分の持分からしかるべき額を減額する。
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Research Products
(10 results)