2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25283012
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長與 進 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (40172564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家田 修 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 教授 (20184369)
中澤 達哉 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (60350378)
飯尾 唯紀 城西大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80431352)
神原 ゆうこ 北九州市立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50611068)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 民族共生 / ドナウ中流域 / EU統合 / ハンガリー / スロヴァキア |
Outline of Annual Research Achievements |
第二年度(平成26年/2014年)は、7月5日に東京(早稲田大学)で5名の科研メンバーが打ち合わせ会を行った。9月に5名のメンバー全員が渡航して、共同の第二回現地調査旅行を行なった。ブラチスラヴァではマジャール人コミュニティ党本部、ハンガリー文化研究所(以上9月8日)、シャモリーンのフォールム少数民族研究所(9月9日)、コマールノではシェイェ大学文化人類学研究室、国立郡文書館、沿ドナウ博物館(以上9月10日)、ノヴェー・ザームキの国立郡文書館、シトゥーロヴォ市役所(9月11日)などを訪問して、インタヴューや資料調査などを行った。9月12日にはコマールノのシェイェ大学で、第二回国際ワークショップを開催した。スロヴァキアとハンガリー側研究者5名と、日本側5名が研究成果を報告し、活発な議論を交わした。我々の調査研究の成果を、現地の研究者との議論のなかで検証することができ、さらにスロヴァキアとハンガリーの研究者間の対話の場としての意味も持たせることができた。翌日ハンガリー領に入り、スロヴァキア系少数民族が集中して居住する南部のベーケーシチャバを訪問して、スロヴァキア文化会館(9月14日)、スロヴァキア語ギムナジウム、ムンカーチ・ミハーイ博物館、在ハンガリー・スロヴァキア研究所(以上9月15日)などを訪れて、当地のスロヴァキア系少数民族の現状を調査した。合計9日間の共同調査旅行はひじょうに有益であった。9月12日の第2回国際ワークショップの英文報告集は現在編集中で(収録論文10編)、本年7月までに刊行を予定している。本年3月28日に福井(福井大学)で打ち合わせ会を持ち、英文論文集出版をめぐる議論と、本年8月に千葉県幕張で開かれる第9回国際中欧東欧研究協議会(ICCEES)の世界大会でのパネル参加に関する議論を行った。第二年度の活動は、ほぼすべて予定通りに実施することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の「研究実績の概要」に記したように、第二年度までの研究計画はほぼ完全に実施することができた。2014年9月12日にコマールノで実施した第2回国際ワークショップでは、スロヴァキア、ハンガリーの研究者たちとの人的交流も深まり、2016年9月に予定している第三回国際ワークショップでは、現地参加者をさらに拡大できる見通しもついた。英文論文集の刊行が三年目(本年)にずれ込んだことだけが、唯一の「遅れ」である。
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Strategy for Future Research Activity |
第三年度(平成27年/2015年)は、7月4日に東京(早稲田大学)で科研メンバーの打ち合わせ会を開く(翌月のパネルの下準備と予行演習)。8月3日ー8日に千葉県幕張で開かれる第9回国際中欧東欧研究協議会(ICCEES)の世界大会でパネルを組織し、招聘外国人研究者を交えた研究発表を行う(パネルのタイトルは Transboundary Symbiosis over the Danube: EU integration between Slovakia and Hungary from a local border perspective)。この機会にスロヴァキアとカナダから各1名(人選についてはすでに確定)を日本に招聘する。あわせて年度内に2名のメンバーを、現地調査のためにスロヴァキア及び/あるいはハンガリーに派遣する。年度末の3月に北九州市(北九州市立大学)で科研メンバーの打ち合わせ会を開く。おもな議題は、2016年夏に予定されている共同の第三回現地調査と、コマールノでの第三回国際ワークショップの打ち合わせであるが、同時に、第三者の中間外部点検評価を受けることを考えている。本年度中に刊行される英文報告集をおもな検討材料として、専門的に近い研究者(複数)を招聘して忌憚のない批判を仰ぎ、残された2年間をいっそう有効活用するための機会としたい。
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Causes of Carryover |
平成26年度に、当初年度内に英文論文集の出版を予定しており、予算が不足すると見込んだために、前倒し金として30万円(平成27年度分から20万円、平成28年度分から10万円)を申請し、受領したが、その後英文論文集の出版が本年度にずれこんだため、直接経費として使い残された18万6220円は、本年度分として使用することになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
使い残された18万6220円は、本年度中に出版予定の英文論文集の出版費用か、 あるいは本年8月の幕張における国際会議関連の出費(招聘研究者の旅費など)として 使用する予定である。
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Research Products
(22 results)