2014 Fiscal Year Annual Research Report
英国モダニズムの情動空間に関する総合的かつ国際的研究
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25284058
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
遠藤 不比人 成蹊大学, 文学部, 教授 (30248992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦 邦生 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (00459306)
中井 亜佐子 一橋大学, 言語社会研究科, 教授 (10246001)
田尻 芳樹 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (20251746)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 英国 / モダニズム / 情動 / 映画 / 身体 / 精神分析 / ポストコロニアリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、各メンバーが複数の海外の研究者を招聘し講演会を開催する予定であったが、諸般の事情によりそれを実現できなかった。それゆえに、使用予定であった資金を次年度に繰り越すことになった。 しかし、研究メンバーの研究活動は活発である。田尻と中井は国内外で研究発表を行い「情動」「身体」「モダニズム」「ポストコロニアリズム」といったテーマを深化し、すでに構築している国際的な学的関係をさらに強化している。遠藤と秦も、国内の学会において「情動」「映画」「戦争」「精神分析」といったテーマで研究発表をした。加えて、中井の「情動」と「ポストコロニアリズム」を接続する論文が海外の査読つき雑誌に掲載された。また、中井と田尻の「情動」に関連した論文が国内の論文集に収録されている。遠藤の論文も掲載予定である。 Institute of Psychoanalysis(遠藤)、British Library(遠藤、秦)、British Film Institute(秦)での一次資料の調査が、これらの業績において着実な結果となっている。さらに「情動理論」に関する研究会を組織し、最近の2次資料の解題を実施した。Fredric Jamesonの難解な新著を読解し、新たな視点を獲得できたことは収穫であった。 繰り越した分を含めた資金を使用し、平成27年度は、ロンドン(9月)東京(11月)東京(3月)において国際会議を開催することを決定している。特にロンドンで9月に開催する国際会議は、平成25年度に東京で開催した国際会議のテーマ(「情動」「心理学」「精神医学」「モダニティ」)を継続して議論するもので、遠藤と秦が発表予定であり、また研究協力者であるロンドン大学のShamdasani教授の全面協力を得ての開催である。これによりこの研究プロジェクトの重要なテーマ「国際性」と「学際性」をさらに充実したものにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記のように実施予定であった海外からの研究者の招聘が諸般の事情により次年度まで遅延してしまい、かなり多額の繰越金が発生してしまったため。この研究上の遅延を挽回するべく、今年度は3つの国際会議の主催を決定しており、当初に予定していた研究の達成を目指したい。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究プロジェクトの推進方針である「国際性」と「学際性」に関してさらに充実した成果を上げることに努力したい。そのために、国際会議の主催、研究テーマの多様化を実践する。上記のように平成27年度は、3回の国際会議により内外の研究者の交流はさらに深化するはずである。またそこにおける海外の研究者たちとは既知の関係であるので、その人的かつ学的関係は非常に濃密なものになるだろう。研究テーマの「学際化」については、9月のロンドンでの国際会議においては、心理学と英文学と精神医学と情動のジャンルを超えた相互関連をテーマにし、また11月の東京の国際会議では、英文学、情動、日本文学を架橋することを目指す。3月の東京での国際会議では、当初の予定通りに、情動、マルクス主義、精神分析が主たるテーマとなる。このような実践によって、プロジェクトの「国際性」と「学際性」を実現したい。
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Causes of Carryover |
海外から研究者を複数招聘する予定が実現できなかったために、それに予定していた予算を繰り越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の3回開催する国際会議のための旅費(海外からの研究者の招聘および海外への渡航費)に使用する計画である。
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Research Products
(14 results)