2013 Fiscal Year Annual Research Report
近世の芸能的宗教者・勧進宗教者の組織編成と地域社会
Project/Area Number |
25284126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
西田 かほる 静岡文化芸術大学, 人文・社会学部, 教授 (50265576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 智勝 埼玉大学, 教養学部, 教授 (10300972)
岩城 卓二 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (20232639)
志村 洋 関西学院大学, 文学部, 教授 (90272434)
中川 すがね 愛知学院大学, 文学部, 教授 (80227743)
幡鎌 一弘 天理大学, 付置研究所, 教授 (50271424)
東谷 智 甲南大学, 文学部, 教授 (10434911)
山崎 善弘 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (60582509)
梅田 千尋 京都女子大学, 文学部, 准教授 (90596199)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 芸能的宗教者 / 勧進 / 夷(恵比寿) / 近世 |
Research Abstract |
平成25度には、西宮神社が所蔵する社用日記のうち、宝永2年~正徳6年分を『西宮神社御社用日記』2巻として刊行した。西宮神社所蔵神社文書の翻刻については、87,600字余りを終えることができた。天理大学所蔵「御広間雑記」のデータ整理は、13冊を終了した。 研究会は2回開催した。第1回は8月31日(於埼玉大学)に、松本和明「近世西宮神社における開帳の諸相」、幡鎌一弘「西宮神社御社用日記を裏側から読む」、橋本鶴人「神事舞大夫の『筋目』に関する事例紹介~他の宗教者との関係を中心に~」の報告を行った。第2回は12月14日(於西宮神社)に、志村洋「近世後期武州・上州のえびす社人史料について」、横山陽子「近世会津・仙道地域の西宮社人」、北川央「水戸大神楽と西宮夷願人~関東の大神楽における水戸大神楽の位置~」の報告を行った。これらにより、夷願人をはじめ芸能的宗教者の特質などについての議論を深めることができた。 全国各地の史料保存利用機関において、夷関係史料の所在調査を行った。さらに埼玉県立文書館(西角井家文書ほか)をはじめ、群馬県立文書館、長野県立文書館、長野県立図書館、東京大学史料編纂所、国立国会図書館、国文学研究資料館、岩手県立図書館、鹿児島県立図書館、西尾市立図書館などにおいて夷関係史料の蒐集を行った。青森・秋田・岩手・宮城県下については、村々の書出や神社関係史料から西宮配下の者を抽出する作業を行い、仙台藩領(含一関藩領)において5件の事例を得た。また各地を異動する幕府代官が寺社とどのような関係を取り結んだのかという視点から、佐渡奉行の日記(筑波大学付属図書館所蔵)調査を行った。 地域社会と宗教者・芸能者という観点からは、奈良国立博物館の奈良・春日若宮祭礼の特別陳列に協力し、若宮祭礼の奉仕者の史料発掘および解説・講演を行った。山梨県の陰陽師・万歳・神子についての史料調査も行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
西宮神社所蔵の社用日記の刊行、および神社所蔵文書の翻刻、「御広間雑記」のデータベース化について、当初の予定通りにすすめることができた。 研究会も、歴史・民俗学などの研究者の報告や助言を得ることができ、夷社人をめぐる論点も共有できている。 全国の史料保存利用機関などにおける夷関係史料の所在調査については、地域分担を決め、それぞれの地域で順調に調査を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度同様、西宮神社所蔵の社用日記の翻刻および西宮神社所蔵史料の翻刻、「御広間雑記」のデータベース化をすすめる。また、西宮神社所蔵社用日記の明治以降分については、デジタルカメラでの撮影を順次行っていく予定である。 夷社人の所在調査と史料蒐集については、今年度に引き続き、全国各地の史料保存利用機関などに収蔵されている史料を悉皆的に調査する。多数の史料が確認された場合には、研究分担者全員で調査にあたることを検討している。そのほか、西宮神社文化研究所の支援を受け、旧夷社人家の史料調査も予定している。 研究会についても、年2回開催することとし、宗教史あるいは西摂地域の研究者を招いて指導助言を得る予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査先の都合により、今年度中の史料調査が間に合わなかったこと、ならびに次年度に史料調査を行うための金額を確保しておきたかったため。 千葉県勝浦における史料調査、および東北・鹿児島・山陰地域をはじめとする各地の史料保存利用機関などでの史料調査に利用する予定である。
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Research Products
(4 results)