2013 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア史における絶対年代と相対年代の統合に関する研究:7-10世紀を中心に
Project/Area Number |
25284140
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
深見 純生 桃山学院大学, 国際教養学部, 教授 (40144555)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 亨 東京外国語大学, その他部局等, 教授 (90274810)
佐藤 桂 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, その他部局等, 研究員 (80454198)
田畑 幸嗣 国際基督教大学, 付置研究所, 研究員 (60513546)
西村 昌也 大阪大学, 文学研究科, 研究員 (60469236)
原田 あゆみ 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, その他部局等, 研究員 (20416556)
向井 亙 金沢大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (30625108)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 考古学 / 東洋史 / 美術史 / 建築史 / 東南アジア |
Research Abstract |
有力メンバーが調査中にベトナムにおいて交通事故死する(6月)という大きな不運に見舞われたが、その不幸を乗り越えて全般的に見て活発な活動を展開した。全員が関わる活動としては4回(4月、7月、11月、3月)の研究会合と合同現地調査1回(12月)を実施した。その他各人個別の調査研究活動を実施した。 研究会合は1泊2日を2回、2泊3日を2回行い、総数20点を超える研究報告が提出され、議論を行った。研究会合の一部分(回数は3回、報告点数としては6点)は東南アジア古代史研究会として一般公開で実施し、研究成果の一部を外部に発信している。東南アジア考古合学会の例会に参加したこともある。 合同現地調査はカンボジアにおいて、アンコール地域だけでなくサンボール・プレイ・クック遺跡群はじめ「地方」の遺跡を6日間かけて調査し、新たな知見を得ることができた。その機会に一部メンバーはカンボジアのその他の遺跡や博物館およびベトナムの諸遺跡を調査した。考古班はカンボジアのみならず、タイとベトナムでも調査を行った。 東南アジア古代史(とくに7~10世紀)の文献史学、刻文学、考古学、美術史、建築史の諸分野横断的な編年のためにはどのような方法論上の問題が存在するかを明らかにする努力を行っている。問題点の剔出とその解明にはまだ時間がかかりそうである。研究協力者を含めたメンバー内での相互理解が進んでいる。すなわち、他の分野に関する研究史、方法論、資料状況について相互理解が形成され始めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記概要に示したとおり、20点を超える研究報告があった(ここには単なる実務的報告や打合せは含まない)。これら報告と討論をとおして、メンバーの間の共通理解が生まれつつある。すなわち、文献史学、刻文学、考古学、美術史、建築史の各分野がそれぞれ蓄積してきた研究実績を相互に参照するための認識枠組みが形成され始めていると評価できる。異分野の資料状況、方法論、研究の現状についての相互理解が生まれることは、諸分野横断的な編年の形成のためにたいへん重要な前提であるが、その前提が形成され始めているのである。 有力メンバーの不慮の死去のためベトナム南部のメコンデルタにおける考古学的発掘とその地域の遺跡の合同調査は実現できなかったが、カンボジアのアンコール地域における考古学的発掘は進展しており、カンボジア各地の合同調査を実施することができた。またタイやベトナムでも遺跡の現地調査を行った。ベトナムでは従来知られていない刻文史料を発見するという僥倖にも恵まれた。データの整理と評価にはなお時間が必要であるが、本科研がとくに対象とする7-10世紀の基礎データを補充するための考古学的資料の獲得が進展していると評価できる。 このように研究活動が進展している一方で、分野を超えた編年のために乗り越えるべき課題の剔出になお力を注いでいく必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
各人の調査研究の継続とともに、今年度は全体的な活動として前年度と同様に2泊3日程度の研究会合を少なくとも3回(8月、11月、2月)行い、合同現地調査を1回(8~9月ベトナム中部)行うこととする。 研究会合においては諸分野横断的な編年の作成のために必要な課題を明らかにし、その課題の解決策を検討する。あわせて東南アジア古代史(7-10世紀)の諸分野横断的年表の作成に具体的に取り組み始める。また、前年度の研究報告を受け継いで他の分野の方法論や資料、研究状況を相互によく理解するための研究報告を積み重ねる。 諸分野横断とともにこの科研のもう一つの目標である東南アジア内の地域横断的研究をより一層重視して取り組んでいく必要がある。こうした観点から、考古班はベトナムのチャンパー遺跡の調査の他にカンボジアとタイにおける発掘調査を継続する。これによって当該時期の編年に資する可能性のある資料の補充をめざす。刻文班は刻文のデータベース化に注力するとともに、カンボジアの刻文とジャワの刻文には内容面で大きな違いが存在することが明らかになってきたが、この相違をもっと明確に把握するよう務める。文献資料に関してはできるだけ多くの基礎文献資料のデータベース化の検討を開始する。加えて「真臘伝」や「訶陵伝」など基礎的な史料の読解を進めるとともに、学界の標準として評価されるような訳注の作成に取り組む。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者西村昌也氏が交通事故死亡により、研究計画に若干の変更が生じたため。 研究分担者の研究計画遂行に若干の変更が生じたため。 次年度以降の研究計画において、西村氏が属していた考古学班の活動に重点配分する予定。 次年度以降の研究計画遂行の中で調整する予定。
|
Research Products
(30 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] クメール陶器2013
Author(s)
田畑幸嗣
Organizer
東南アジア古代史科研第2回研究会合
Place of Presentation
東京外国語大学本郷サテライト
Year and Date
20130719-20130721
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-