2014 Fiscal Year Annual Research Report
コンスタンティヌス大帝研究:1700周年記念における新展開
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25284147
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
豊田 浩志 上智大学, 文学部, 教授 (20112162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 賀貴 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (20294655)
加藤 磨珠枝 立教大学, 文学部, 教授 (40422521)
黒田 泰介 関東学院大学, 建築・環境学部, 教授 (70329209)
大清水 裕 滋賀大学, 教育学部, 講師 (70631571)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 古代ローマ史 / 考古学 / 建築学 / 美術史 / コンスタンティヌス / キリスト教 / 再利用 / レーザー測量 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、西欧において破竹の勢いで進展中のコンスタンティヌス研究の動向を吸収し独自の見解を提示すべく、各自きわめて有効な現地調査を達成することできただけでなく、部分的とはいえ、早くも研究成果を公表する段階に入ることができた。すなわち豊田は、それまでの蓄積もあり、ウェブ論文を上梓することができた。コンスタンティヌス関係の2大記念建築物である、凱旋門(アーチ)門と新バシリカ(及びコンセルヴァトーリ宮殿展示の巨像断片)関係の現地調査を行い、景観史学的視点での新知見の確証を得た。詳しくは、豊田のHPをご覧いただきたい。 黒田は、ローマおよびドイツ・トリーアに赴き、研究対象の現地調査と情報・資料収集、関係者との打ち合わせを行ったほか、コンスタンティヌス時代に重要となる再利用(スポリア)で周辺論文を発表できた。 加藤は、2013年秋にローマで開催されたコンスタンティヌス関係の記念国際学会に参加して、現在の研究水準について知見を深め、報告書を提出できた。 大清水は、コンスタンティヌスに関する近年の歴史学的研究の知見を深めると共に、関連碑文史料を用いて学会発表を行い、また早くも論文を発表した。 なお堀は、ローマ考古管理局との連絡が不調で、本年度当初予定していた遺物のレーザー測量ができなかったが、その技術の応用に関する研究成果は着実に出すことができて、今後の調査に備えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画で進展がなかったのは、ローマ考古遺跡管理事務所への当方の連絡に返事がなく、たとえばコンセルヴァトーリ宮殿中庭に展示保存されているコンスタンティヌス巨像断片の測量をするに至らなかったことにつきる。これはイタリアではよくあることで、ともかく相手があることなので、手は尽くしても駄目なものは諦めるしかない。 しかし、かの巨像の実測ができないことを除いて、研究分担者各自の個別研究は、おおむね順調な進展をみることができた(特に、現地調査では豊田・黒田)。またメンバー全員、周辺分野を含めると早くも研究成果の公表も行うことができた。 この両者を勘案して上記評価を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
ここ2年間は、研究分担者各自が自己の専門分野を深める方向で研究を進めてきたが、最終年度を迎え、相互の研究を組み合わせる段階に入る。 さらに、予備調査として現地調査をおこなうことで遺漏なきよう努める。 具体的な推進方策としては、日常的な電子メールでの連絡に重ねて、研究会を最低一度東京で開き、コンスタンティヌス帝の統治理念や宗教政策の再検討に、歴史学、美術史、建築史の各分担の成果を組み合わせる作業に入る。 同時に、ウェブ論文をアップして成果の迅速な公表に努める。
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Causes of Carryover |
洋書の発注に際して、年度内の納品が適わないことが判明し、急遽、来年度への繰り越しを決定した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の物品費(図書購入費)として使用する。
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Research Products
(16 results)