2013 Fiscal Year Annual Research Report
少年刑事事件の総合的研究ー少年の地位・責任の理論的・実務的研究
Project/Area Number |
25285024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
廣瀬 健二 立教大学, 法務研究科, 教授 (80409549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 幸典 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20241507)
佐藤 隆之 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (30242069)
松澤 伸 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (20350415)
柑本 美和 東海大学, 法学実務研究科, 准教授 (30365689)
津田 雅也 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 助教 (80633643)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 刑事法学 |
Research Abstract |
1 文献調査 我が国の少年刑事法制に関する文献、裁判例の収集・検討については、ほぼ予定どおり行い、それらに基づき後掲の論文等を発表している。また、少年事件の判例報告(平成25年12月14日東京大学・刑事判例研究会)を行い、研究員の刑事裁判官、刑事法研究者と討議を行った。 海外調査の準備としては、スウェーデン、スイス、台湾等に関して、国内外の文献を収集・調査している。 2 実情調査 少年刑事事件の法廷傍聴・記録検討を2件行った(うち1件は犯行時少年であったが、公判時は成人となってしまった事案)。少年施設として、川越少年刑務所の視察・見学を行った。また、日本弁護士連合会子どもの権利委員会の勉強会(平成26年2月13日)で「少年の刑事事件について」講演を行うとともに、少年事件の付添人、刑事弁護人からみた家庭裁判所の調査・審判、地方裁判所における刑事公判(裁判員裁判)の実情と問題点について,委員の弁護士から弁護人・付添人の実務経験に基づく意見を聴き、討議している。 3 海外調査 前記の文献調査等を前提に、それぞれ質問事項を作成して関係者に送付した上、スウェーデン、スイス、台湾に渡航し、各少年事件担当者、研究者等との面談・討議、関係施設等の調査を次のように行った。 ①スウェーデンでは、ソーシャルサービス、検察官、裁判官、犯罪学・社会学・刑事法の各研究者との研究会、面談・討議、少年裁判所・検察庁の視察・見学。②スイスでは、警察官、検察官、ソーシャルワーカー、関係施設職員、刑事法研究者らとの面談・討議、少年拘禁施設、福祉的処遇施設、検察庁、裁判所の視察・見学、関係職員との面談。③台湾では、少年事件・刑事事件担当の裁判官、検察官、弁護士、調査官、保護観察官らとの研究会、面談・討議、刑事・少年裁判所、少年院、少年刑務所、成人の刑務所等の施設の視察・見学、収容少年や施設職員らからの意見聴取。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内調査については、少年の刑事事件で正式に起訴される件数自体が少ないため、公判の傍聴等の調査ができるもの自体が少ないこともあって、当初、計画した予定どおりには行えていない部分もあるが、海外の渡航調査については、順調に進展している。特に、海外の少年事件関係実務家・研究者との面談、施設の視察調査等においては示唆に富む事情聴取、討議等がなされており、初年度としては、ほぼ計画に沿った成果を上げることができたものといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進展している海外の調査・研究については、これまでの成果の現段階における総括を進め、補充的な調査・研究や関連して必要性が生じる調査・研究についても、できる限り積極的に推進していく。また、これまでの研究成果については、論文の発表・研究会の開催等をより積極的に行って、他の研究者・実務家等との質疑・討議等を経て研究を深めていく。 国内の調査についても、少年事件の公判等に関する情報の入手に努め、少年関係施設の視察・見学等を含め、より進展させていく予定であるが、事件の状況等に応じて柔軟に対応していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3回行った海外調査において、予定していた研究分担者・協力者の中で、家庭の事情の急変や直前の日程変更等で参加できなくなる者が生じたこと、国内の出張調査に適する少年事件の刑事公判が少なかったこと、施設の調査等では日程の調整がつかなかった場合があったことなどの事情により、調査の縮小、変更などによって、繰り越す部分が生じてしまった。 国内の施設の調査等、繰り越しになった部分は積極的に実施していくが、事件の数・性質にも応じて具体的な調査方法は柔軟に検討する。 海外調査については、既に実施した調査の補充的なもの、関連して必要性が生じたものにも、積極的に対応し、国際的な研究会への参加を含め、調査研究・資料収集等を充実させていく。また、国内の出張調査等にも、より積極的に対応し、適切に予算を配分して執行する予定である。
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Research Products
(5 results)